ヴェール

Photos : Go Sunaga

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所在地

千葉県四街道市

主要用途

専用住宅

家族構成

夫(34) 妻(28) 娘(2) 娘(0)

■ 設計

設計

須永豪・サバイバルデザイン

構造 協力

本岡構造設計

施工

中島工務店 東京支店

■ 構造・工法

主体構造・工法

木造 軸組木版造

基礎

コンクリートベタ基礎

■ 規模

規模

地上2階
軒高5,230mm
最高の高さ5,670mm

敷地面積

193.92m2(58.66 坪)

建築面積

66.36m2(20.07 坪)
(建蔽率34.28% 許容50%)

延床面積

80.00m2(24.20 坪)
(容積率54.97% 許容100%)

施工床面積

106.08m2(32.08坪)

1F床面積

40.01m2(12.13 坪)

2F床面積

39.90m2(12.00 坪)

■ 工程

設計期間

2007年1月〜2009年10月

工事期間

2009年11月〜2010年4月

■ 敷地条件

敷地条件

第一種低層住居専用地域
防火指定なし 22条地区
高度指定なし

道路幅員

北西6.0m 駐車台数2+1台

■ 外部仕上

屋根

カラーガルバリウム鋼板
t=0.4mm 竪ハゼ葺き
軒庇 ポリカーボネイト波板

窯業系サイディングt=14 リシン吹付け塗装

開口部

アルミサッシュ

外構

マンテルチェーン アイビー
砂利敷

■ 内部仕上

1階居間等

床 / 桜・栗t=15オイルフィニッシュ
一部 コンクリート土間均し
壁 / 杉集成材構造版 漆喰塗装
天井 / 杉集成材構造版 素地

2階寝室等

床 / 杉集成材構造版
オイルフィニッシュ
一部コルクタイルt=5mm
壁 / 杉集成材構造版 漆喰塗装
天井 / 杉集成材構造版 素地

■ 設備システム

空調

冷暖房 / エアコン
換気方式 / 換気扇

給排水

給水方式 / 上水道直結
排水方式 / 公共下水

給湯

給湯方式 / ガス

■ 主な使用機器

衛生機器

小谷田潤(陶器) TOTO
カクダイ 

厨房機器

サバイバルデザイン
桃ノ木製作所

家具

大工造作

照明

サバイバルデザイン

建築金物

サバイバルデザイン
家具工房ma-GU
今村知佐(ガラス)

■ 工事費

総工費

2127万円

坪単価

66万円


■そこにあるものを虚像に変換する
その街は一面の畑が住宅に置き換わっていく途中で残された空き地が多く、つかみどころがなかった。そこで深い軒にヴェール(鎖樋と縄を登る緑のツタ)を下ろして、軒下を回廊とし緩衝帯を設けた。そして単純な四角いプランにはプリズム型の中庭を埋め込んだ。プリズムは気配を透明に遮り、乱反射させ、映り込みによる不思議な遠近感を生む。雨の日には流れる雨がヴェールをコロコロと伝い遊び、それもまたプリズムに映し出される。

■じくばん造を活かす
前作「杉シェルター」では「閉じた箱なら版でバンバン組み立てるのが素直で現代的な作り方だ」ということから「じくばん造」(軸組木版造)が生まれた。じくばん造は閉じた箱型の建築向きと思われがちだが、ヴェールのように中庭型で、大開口があり、屋根は寄せ棟で、軒が深い建築も無理なく組むことができる。「軸組でありつつ木版(もくばん)」というじくばん造の性格に素直に従い、梁でフレームを組み、必要に応じもくばん柱を数枚立たせ、それが耐震壁も兼ねる。外殻の窓はすべてスリット。これは窓を穴としてくり抜くより、もくばんを丸ごと1枚抜く方が材木と加工手間に無駄がないため。それぞれの窓に必要な性格付けは、スリット巾の調整で行なっている。天窓も同様にスリット。

■部品や部分のチューニング
「オリジナル」で建築を作ろうとするとき、職人が実際につくりやすく、既製品並みのコストに納めることがリアリティとなる。独自工法のじくばん造、バラパーツ化したスチール階段、ガラスの引き手、洗面・手洗いの鉢、郵便受け、スポットライト・ペンダントライト、タオルかけの一本に至るまで私の場合は独自に製作している。はじめは設計に多大な労を要しても、私製プロダクトとして突き詰めていればどの建物にも採用できるからだ。そして最小限のパーツと操作、ローテクノロジーで必要を満たす時に現れる愛嬌が私は好きだ。部品や部分は構成や素材と共に和音をなし、プレイヤーのオリジナルチューニングが『響き』を生み出す。

■公に供する仕事
発明とは「既存の素材同士の“新しい組み合せ”」と発明家の藤村靖之氏(工学博士・非電化工房主宰)はいう。前作「杉シェルター」でたどり着いた「じくばん造」は「在来軸組+集成材の板=木造シェル」という発明だ。ホームページを通じての全図面販売では、無名作家の小さな住宅からでも公共性を発信できることが分かった。 今作「ヴェール」でも販売をする。いま作品・図面の二次利用には可能性があると感じている。たとえば大災害後の生活再建の手助けとして「復興住宅バンク」なるものはどうだろう。「バンクからのリンクで建築士のHPに飛び、図面をダウンロードして地域の工務店にもち込めば、それなりの家が建つ」くらいのことは、建築士の善意ひとつでできる時代だ。発明を特許で囲わないと決めたところから、社会へ、後世へ向けた大きな仕事が始まることもある。

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Daily 2010.04.21・・・家市(いえいち)のお知らせ