杉シェルター

Photos :1-19 Ayaki Hosaka
20-22 Takahiro Wada
23-25 shinkenchiku-sha
26-32 Go Sunaga

concept

data

所在地

千葉県市川市

主要用途

専用住宅

家族構成

夫(29) 妻(32)息子(3)
+将来 子供1名・祖父母1名

■ 設計

設計

須永豪・サバイバルデザイン

構造

本岡構造設計

施工

中島工務店 東京支店

仲介

OZONE家づくりサポート

■ 構造・工法

主体構造・工法

木造 軸組木版造

基礎

コンクリートベタ基礎

地盤改良

減震フロートバランス工法

■ 規模

規模

地上2階
軒高5,635mm
最高の高さ5,684mm

敷地面積

100.07m2(30.27 坪)

建築面積

48.26m2(14.59 坪)
(建蔽率48.22% 許容50%)

延床面積

90.42m2(27.35 坪)
(容積率90.35% 許容100%)

施工床面積

95.60m2(28.91坪)

1F床面積

45.21m2(13.67 坪)

2F床面積

45.21m2(13.67 坪)

■ 工程

設計期間

2007年3月〜2008年3月

工事期間

2008年4月〜2008年7月

■ 敷地条件

敷地条件

第一種低層住居専用地域
防火指定なし 22条地区
高度指定なし

道路幅員

南4.0m 駐車台数1台

■ 外部仕上

屋根

カラーガルバリウム鋼板t=0.4mm
竪ハゼ葺き

珪酸カルシウム板t=12mm リシン吹付け塗装

開口部

アルミサッシュ(YKKap)

外構

砂利敷

■ 内部仕上

1階食堂等

床 / スギパネルt=36mm
一部 コンクリート土間均し
壁 / スギ集成材構造版 素地
天井 / スギ集成材構造版
竹炭塗装

2階居間等

床 / スギ集成材構造版
オイルステイン
一部コルクタイルt=5mm
壁・天井 / スギ集成材構造版 素地

■ 設備システム

空調

暖房 / ベタ基礎蓄熱暖房
冷暖房 / エアコン
換気方式 / 換気扇

給排水

給水方式 / 上水道直結
排水方式 / 合併処理浄化槽

給湯

給湯方式 / ガス

■ 主な使用機器

衛生機器

タカラベルモント TOTO  カクダイ 

厨房機器

桃ノ木製作所

家具

大工造作

照明

サバイバルデザイン

建築金物

家具工房ma-GU

■ 工事費

総工費

2081万円

坪単価

72万円

■シェルター / 計906万円

 免震地盤改良 60万円

 基礎コンクリート 131万円

 造躯体 493万円

 躯体組み立て 121万円

 サッシ・玄関ドア 79万円

 サッシ取付け 22万円

■設備(電気・水道・ガス) /

 計407万円

■その他(造作・外壁・屋根・

 鉄部・防水) / 計566万円

■オプション / 計202万円

 建具 18万円

 家具 3万円

 内装(塗装など) 27万円

 蓄熱床暖房 21万円

 浄化槽 41万円

 水道引込み 43万円

 外構 29万円


『やわらかな殻』

建物は殻だ。確かな躯体ととりあえずの設備さえあれば人は住める。あとは好きなように使ったらいい。間取りのような躯体が 大雑把にあって、それが「いいジャングルジム」になっていたら最高だ。

この建物はお隣と距離を置き、そして土からも少し浮いて、この区画に停車している。その感じは団地育ちの建築家の皮膚感覚なのかもしれない。内部のプランは平面が「く」の字に折れ、断面が段々になり、視線は「Z」字型に抜けていく。自分の好きな場所で自分のことをしていたいけれど、首をひょいと伸ばせばおおよそ見渡せる。ひとつの箱の中で出来事は同時に多発し、またそれを眺めている視点もある家。それはカフェやインターネットなど「ひとりと全体が同時に存在している世界観」とも似ている。人の活動を風景として眺めているときの安心感や、参加ON/OFFが自由な気楽さといった、目の前に選択肢を並べておく豊かさは、もう現代の私たちの身体感覚になっている。

建築は箱型なら,棒で箱を組むのではなく、箱らしく版でバンバンといきたいものだ。この「軸組木版造(じくぐみもくばんぞう)」は、普通の大工さんが直感的につくれるように在来の軸組工法をベースにしてあるが、組み上がってみると木壁の構造となる。ここでは杉版のシェルは4日で組み上がり、全体の工期は実質2カ月半。重機も不要。シェルの中は、まるでアコースティックギターの中にでも潜り込んだようで、やわらかく共鳴し合う空間となっていた。杉版は厚さ60mm で柱・耐力壁・断熱・仕上げを兼ねているから、お化粧の内装仕上げは、しても、しなくてもいい。建主が選び、暮らしながらの足し算ができるネイキッド。

木造在来工法はバージョンアップの繰り返しでツギハギだらけになり、一度リセットしたいという思いは誰もが感じているのではないだろうか。軸版造(じくばんぞう)は、大量の杉・集成材・CAD データ通りの正確なプレカット・現場での少ない手間など、今日的な技術のあり様を組み合わせた木造だ。また、この工法は災害後の復興住宅や規格住宅などの大量供給にも向いていそうだ。広く普及すれば結果的に日本の山のためにもなるだろう。これからうまく発展させていってくれる人々ともぜひ出会っていきたい。

concept

新建築 住宅特集2008年12月号・・・杉シェルターの紹介
住宅建築2008年12月号・・・軸組木版造の詳しい解説
日経アーキテクチュア12月8日号・・・確認申請上の「四号建築」であること
建築士2009年12月号・・・楽器のように建築を
ディテール181号・・・特集「今日のディテール」にて

渡辺篤史の建もの探訪・・・「Hさんのお宅」としての紹介
住宅プラン図鑑/NA選書・・・日経アーキの記事を一般の方にわかりやすく再収録

建築士2009年10月号・・・日本建築士会連合会 入賞作品として
新建築 住宅特集2009年5月号・・・水廻り特集にて「子どもと一緒のキッチン」
新建築 住宅特集2009年4月号・・・佐々木仁氏の「近作を訪ねて」にて
新建築 住宅特集2009年1月号・・・佐々木仁氏のエッセイ「住宅を読む」(時評)にて
ケンプラッツ・・・軸組木版造の図面販売について

concept

杉シェルター 全図面公開・・・軸組木版造 とは
Daily 2009.10.22・・・平成21年 日本建築士会連合会賞 「奨励賞」
Daily 2009.10.02・・・日本建築家協会 JIA新人賞 上位15作品に選出
Daily 2009.02.08・・・住まいの環境デザイン・アワード2009 「奨励賞」
Daily 2008.07.06・・・家市(いえいち)のお知らせ
Daily 2007.04.30・・・選考の結果
Daily 2007.04.22・・・3者コンペ