居場所の家

Photo : Go Sunaga
(1,4) : Takahiro Wada

concept

data

設計

survival design 須永 豪

施工

小林工務店 小林 忠夫

家具

家具工房ma-GU 真島 啓

設計期間

2005年5月

施工期間

2005年5月〜6月

所在地

千葉県佐倉市

主要用途

専用住宅

家族構成

夫婦

構造・工法

ツーバイフォー

規模

地上2階

施工床面積

44.46m2 (13.44坪)

工事費

277万円

坪単価

28万円

■ 既存建築

建築面積

63.76m2 (19.30坪)

1F床面積

62.10m2 (18.78坪)

2F床面積

56.31m2 (17.03坪)

延床面積

118.41m2 (35.81坪)

■ 内部仕上

既存フローリングの上
ナラ無垢材 t=15
植物系塗料染色

桧集成下地板横張り
麻紐目地
漆喰 t=3

天井

既存石膏ボードの上
漆喰 t=3

障子

新規障子:麻紙貼り
既存障子:既存枠の上
     漆和紙張り

家具

机 :チェリー材 t=25
   オイルフィニッシュ
本棚:シナ合板 t=24
   植物系塗料染色

「この建物には私の居場所がない」 築14年の建売り住宅の間取りには、退職したお父さんが日がな一日過ごすに相応しい場がなかった。今回のリフォームでは12帖のリビングと6帖の和室をつなぎ、大きな居間のような書斎のような場をつくることにした。設計依頼から1ヶ月半で完成させなければならなかったため工事と設計が同時にスタートし、完成形のイメージのないまま現場の工程を追いかけるようにして設計をすることとなった。

まず、既存の間仕切り壁を撤去しワンルームとなったところで、新たに3本の柱を配置して領域を分節した。また、空間を再構成するため交錯する3本の鴨居で空間の重心を調整した。鴨居の高さは既存の2枚の掃出し窓とは無関係に設定している。

壁は既存の石膏ボードをすべてはがし、構造補強をかねて桧集成下地板を打ち付けている。幅30cmの下地板を横張りとしているので仕上げの漆喰の目地割れが予想されるため、板の継ぎ目には麻紐を張り漆喰で塗り込んで亀裂誘発目地とした。天井は既存の石膏ボードに漆喰を塗り回し、床は既存の合板フローリングの上に無垢のナラ材を貼った。掃出しのアルミサッシにはアウトセットで障子を入れ、上げ下げのできる猫間障子と欄間とで見たい景色だけを取り込めるようにした。東に面した既存の障子は漆塗りの和紙に貼り替えた。朝陽が昇るとともに漆の模様が暁のような褐色のグラデーションとなって浮かび上がる。

このリフォームでは引退後の最後の住まいとして、簡素で無垢なる場を用意したいと思っていた。ここには旅で出会う美しい風景も温泉もないけれど、昇る朝陽を感じ庭の緑を眺め夕暮れに染まる空に想いをめぐらすことのできる確かな居場所がある。お父様の第二の人生が充実した美しい日々となることを心から願っている。

concept

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