Daily・・・日々雑感

【2010年の終わりに】2010.12.31
雑誌HOME Portraitvol.3にて「住宅名人の10人」ということで須永も紹介していただいています。本屋さんに立ち寄った時にでも見ていただけたら幸いです。また、新建築住宅特集12月号では、長岡勉さんが僕のことを記事にしてくれていました。(こちらは僕が気が付くのが遅かったため、書店にはすでに次の号が並んでいます) 長岡さんは1ページを費やして、「・・・・・・須永さんのホームページを見ると、丁寧に暮らすことと、その先にある持続可能な環境共生という考え方(本人は環境共生等キーワードは出していない)が、無理なくひとつながりになっていることがよく分かる。・・・・・・」と書いてくれました。指摘してくれて気が付きましたが、「環境共生」や「エコ」という言葉を、そういえば僕はあまり使ったことがありませんでした。その答えになるかは分かりませんが、今年僕の心に深く残った話しを書きます。

地球は二酸化炭素と放射性物質の星として誕生したそうです。とても生命の宿れる状態ではなかったところから、気の遠くなる年月のなか変化し、いつしか生命のかけらが誕生し、それが進化し、環境も変わり、またそれに適応し、今に至る。よくよく考えてみたら、人間は地球の最後の参加者です。ということは現在の地球環境が一歩でも後退すれば、真っ先に絶滅するのも人間。自由な手先と発達した想像力をもった特異な人間の役割は、自然の恵みを奪取することではなく、今後もここで生きていけるよう、うまいバランスを考えること。石炭石油を燃やし原発で核融合させてたら、また二酸化炭素と放射性物質の星へ戻ってしまう。

自分の命のルーツを親→祖父母→そのまた・・・→類人猿→哺乳類→爬虫類・・・→と、さかのぼっていくと地球に宿った最初の生命に誰しも行き着くことになります。そしてその証拠が私たちの細胞ひとつひとつに確かに刻まれている。つまり地球の、生命の、進化の集大成が、今日の私、今日のあなた。そして明日の私(あなた)は、地球上でまだ誰も知らない一番新しい瞬間をまた一歩切り開いている。私たちはただ生きているだけでも、実は素晴らしい瞬間に立会っている。

2010年もたくさん本を読み、人と出会い、考えを交わし、まだ知らなかった価値観と出会いました。影響を受けながらそれらは少しずつ自分の哲学に融合もしていきました。2009年は資本家支配社会の闇の部分を掘り下げていくマイナスの深さを知る年でしたが、今年は生命として生きていることの素晴らしさ、あらゆる叡智が情報として統合できる時代に生きているラッキーを感じた一年でした。出会えたみなさん、関われた皆さん、見守ってくれていたみなさん、ありがとうございました。


【共同体 2】2010.12.10
【共同体】
『二人三脚』でゆくということは、
遅い方の人より、
もっと遅くなるってこと、なんだぁな。

・・・と、3年近く前に書いた
『足して2で割る』じゃない。 早い方の人は、自分の速度では走れないのだ、"絶対に"。これは苦しい。という意味だった。
そして遅い方の人は、期待に応えることは"絶対に"できないと知りながら、 全力を"常に"尽くしている。 これはもっと苦しい。
あらためて思う。『二人三脚』ってのは単純にしてスゴイ縛りだ。 共同体となったとき、お互いは従うでも習うでも許すでも諦めるでもなく、 第三の道を探すしかない。 それぞれが築いたものも指向もチャラにして、ゼロスタート。 ゲームだ、人生ゲームだこれは。 オモシレー、そういうことなら俺たちは最後にはワハハと笑ってゴールしてやるぜ。


【サバイバルのデザイン】2010.11.10
廉価なキット式住居を2種類計画している。 『おおきな木』 は「とりあえず住める700万円からのコンパクト住居」。 ただしこれは都市災害後の復興住宅ということも視野に入れていたので、どんな敷地にも収まる小さな平面で、2階建て+ロフトサイズの吹き抜けた大きなガランドウをまずつくり、2階・3階の床や、間仕切り壁は暮らしながら必要に応じてカスタマイズしていけばイイ、として計画していた。 もちろん広い土地の場合だからといって、この計画でも困ることはないのだが、ここ信州のようなだだっ広いところなら、その広さを活かしたくなってくる。 ということで考えたのがKobako(コバコ、小箱、木箱)という計画。 これは、もともとは自邸として練り始めたもの。 (安曇野で自給の畑をやりながら暮らす眺めのいい土地を探しています。情報があったら教えてください)

『Kobako』は、船舶コンテナサイズの木箱を並べて住居とする、150万円からできる方法。 組み立てが素人でもできるように設計しておくので、セルフビルドが基本。約17帖(または8.5帖)のKobakoをまず1つ建ててそれを拠点(ベース)の小屋とする。2棟目はそこから2.3mほど離したところへ平行に建てて、その間にはビニールシートでタープ状の屋根(と壁)を掛ける。Kobakoのひとつは寝室で、ひとつは水廻り棟、Kobakoに挟まれたビニール屋根の空間はサンルーム的な居間、ここまでが基本形。 居間がビニール1枚じゃ冬の夜は寒いが、日が暮れたら寝室棟でサッサと寝ればいいじゃないか、太陽と共にある営みだ。作業的には、はじめの1棟を作ってみればコツがつかめるので、2棟目からは同じ作業の繰り返しだから作業効率は格段に上がるハズ。

お金は、土地と材料費分くらい現金で用意できれば、危険を冒して銀行でローンを組まずとも、人件費(手伝ってくれる友人知人へのお礼)は 個人的回数券 で支払えばいい。つまり個人債の発行。「財産ってお金じゃなく、人との豊かな繋がりだ」というところへ行き着けたら最高。

基本形が出来てから先のことは、例によって住みながら必要に応じて足していけば良い。暖かい居間、納戸、子供部屋、趣味の部屋、客間など、材料費分のお金が貯まったら1棟ずつ増やしていく。Kobakoの増築はチェス盤のように千鳥に配置していくと効率的。(積み木のように載せても良いが、その場合はちゃんと構造計算を) 須永家の場合はまず増築の前に、キャンピングカーを横付けし、これを客室とする予定。家族旅行でも活躍してくれるだろうし、出張での移動事務所にもなる。

ところで、なぜ船舶コンテナのサイズにするのか? 答えは「建物ごと世界中へ引越できるように」です。 コンテナサイズならクレーンで持ち上げてトレーラーにキチッと積める。住居は生きていくための道具で、暮らす人が日々カスタマイズしているのだから、引越したら新天地でもそのまま使いたい。そしていい住居は人を癒し支えることも、人にエネルギーを供給し活動の後押しをすることもできる道具だから、いつでも共にあってほしい。住居は人の自由な活動を縛らぬよう、"不"動産じゃなく"可動"産がいいと思うのです。

おおきな木、Kobako、どちらの計画とも、現代的なデザインと国内の間伐杉材を大量に使うことを両立するため開発した じくばん造 をベースに、セルフビルド用に進化させた工法で計画中。 もうそろそろ、虚飾の豊かさのために貧しい国から搾取して材料を集めてくる、泥沼グローバル型のやり方から「いちぬーけた」して、本当は日本人ってココで何ができるんだっけと問い直し、成熟したテクノロジーを自然と人の健全さを取り戻す方へ使いたいと思うのです。
いかがです? 建てたい人居ませんか? 手伝ってくれる人、居ませんか?


【770万円住宅と280円牛丼】2010.11.09
「770万円住宅というのがある」と、教えてくれたかたがいました。 客出し価格1200万円の廉価な建売りの建物が、原価700万円、売主の利益が500万円、と建売り業者から聞いたことがありますから、それと比べても、客出し価格が770万円というのは格安。 僕が日ごろ工事費と格闘しながら、なんとか2000万円程度に納めて住宅をつくっている実感からすると、正直な感想としては、驚くしかない安さ。

これは例えるなら、280円の牛丼、100円のハンバーガーと似ている。 (住宅産業は外食産業に置き換えてみると実感しやすい) 「安全」「安心」「社会的に健全なルート」で作ってたら有り得ない価格だけど、「安さ」と「利益」だけを極端に特化して商品開発すれば、280円の牛丼も出来なくは、ない。それも「悪くはない」と食べてくれる人もたくさんいる現代日本。

でも、自分で小さな畑をやってみて実感するのは、真面目につくってたら、ネギ1本ですら280円じゃ売りたくないのよ。そりゃ労働としては極端に割が悪の分かってるけど、地球の上のニンゲンとしての「健全な食」を真面目にやろうと思えばこそやっている。金じゃ測れないものとして。 農家さんで、地球上のルールに違反せず真面目に労働して、それをそんなに高くないお金で売ってくれる人には本当に尊敬する。自給に足りない分は、そういうかたから売ってもらっている。 (今日はふぁ〜む鹿内さんが真面目につくったお野菜をイロイロ売ってくれました)

280円の牛丼、当然そういう作物ではつくられてないよね。あれは世界中をめぐって破壊・搾取・脅迫で限界まで追いつめる強烈なビジネスの上に成立っている。 土地・地球・人に負担を掛けず、活き活きと持続できるようにちゃんと配慮してつくったら、そんな牛丼は1000円でも収まらないのかもしれない、と思いません?

さて、770万円住宅。 どうやったらその価格で出来るのか不思議には思うけど、ノウハウを知りたいとは思えないのです。決して"同業"じゃありませんが、同じ建築業界に居る者として、知れば悲しさと無力感で胸がいっぱいになりそうで。

じゃあサバイバルデザインは2000万円以下の住宅はやらないのか、と言えば、 そんなことはない。 信州に暮らしはじめたおかげで、視野も広がった。 そんな続きは、熱く長くなってしまうのでまた明日。


【元氣のたね@安曇野スタイル】2010.11.08
安曇野スタイル「元氣のたね」にて、 妻も出展させていただきありがとうございました。 色んな方から褒めてもらう初めての機会となり、いい自信になったようです。 また機会があったら見てやってください。 須永家が連れて帰りたくなっちゃったのは、リメイク作家大澤あいさんのコレでした。 玄関がポッと明るくなりました。

我が娘はにじ工房さんたちの旗作りに加わったり、 カフェ穂高の『元氣のたねパン』が駄菓子屋のくじ引きみたいで楽しかったようです。

僕は僕でいろいろ楽しませてもらいました。
ゆっきーさんの『タイ古式マッサージ』では、 日常自分じゃしてない体の動きを、動かしてもらうのは定期的に必要と感じました。 それよりなにより、はじめにマットに寝っ転がった瞬間に目にした青空、大空。 大地に寝っ転がるってこんなにサイコーだったのね。
清水好美さんの『和みのヨーガ』は、 体操的イメージのヨーガではなく、受ける人は脱力して寝っ転がってるだけ。ひたすら受け身一方のマッサージみたいでした。はじめと終わりに鳴らしていたヘブンズベルが想像以上に心地よく、清い水を振り撒かれて魂も身も清めてもらった感じです。「音」「響き」って宇宙を一瞬にして再現する道具だと感じました。うちにも欲しいなアレ。
木工家で整体師でヒーラーという多才な更家雅則さんによる『レイキヒーリング』は、 揉んだりほぐしたりしないのに、終わってみるとものすごい虚脱感。手を当てていくだけですが(施術中の彼の手はビックリするほど温かい!)、心身の内側に溶け込むように存在していた『毒素』が彼の手によって吸い取られていくような感覚がありました。終わってみると、社会的な生活がもたらす積み上げてきた自信や上手な防御が、そのおかげで同時に疲れ(毒素)も溜めているのだと気が付きました。それを吸い出してくれる方法を体験できたことが良かった。 『日本の神様カード』を使った占い(?)のようなこともやってくれました。なんつーか、これが見事に当たってました。
元氣のたねでいくつか「心身のケア」を体験したおかげで、気になっていた謎が少し解けました。 最近信州ではいい人によく知り合うのですが、「自分が体を壊し→回復し→施術者へ」というパターンの人が多かった。 なぜ「自分が体を壊し→回復し→もとの専門分野に戻って活躍」じゃないのか、路線変更しちゃうのか不思議だったのです。僕なら路線変更はしない。

施術されてみて感じたのは、「どこの誰だかワカランこの僕に、この人はどうして優しく手を当ててくれるのだろう?、どんな価値があるかワカランこの僕にどうして自分を尽くしてまで施してくれるのだろう?」ということ。 そして気が付いたのは、これを「愛」と呼ぶのかもしれない。 ご自身が回復していく過程でそれを身に付けたのか、もともと愛の深い人だったのか。 僕だって「死ぬまでに、世の、人の、役に立つことをうんと残すぞ」と思っているけど、どうもそれとは違うのだ。

この世は「価値」の有る無し・高低で、ものを測る。「価値」を高めるのが人生だと。 でも彼らと接してみると「価値」はまったく無意味なモノサシだと思えてくる。 彼らは「愛」だけで、あとはまる裸。 ・・・これはスゴイことだぞ。

僕が登ってきた山と、彼らの居る山は、 ・・・違う。 人生を通し登る山というのが、もうひとつ別に存在したことを知ったのです。 (でもま、過去はムダにならないことも知ってるよ。 それくらいの図太さは、鍛えられてきたからね。尾根伝いに渡って行こう。)


【妻も始動】2010.11.05
妻が作家として出展させてもらえることになりました。
安曇野スタイルでブラッと遊びにいった「元氣のたね」で、「出せばイイじゃない」 「いいの!?」 というわけで、展示・販売しています。よかったら見てやってください。
ちなみに、真っ先に買ってくれたのが、同じく元氣のたねで出展中のレインボークラスターさん。ジャンルがカブっててご迷惑じゃないかと思いきや、彼女もそれを専門にしているだけに、一点一点への思い入れやクオリティが一目で分かるようで、意気投合してました。よく分かってる人が興味をもってくれる、それは妻にとっても至上の喜びだったようです。
元氣のたねには日替わりで個性と創作と活気がいっぱい。「あれぜひウチに掛けたいなぁ」と狙っている作品もひとつあるので、妻に買ってもらおうっかなー。
(Dailyへの掲載が遅く、事後報告になってしまいました。ゴメンナサイ。最近はmixiで更新している時もあります)

【「頂きます」の「ご馳走さま」】2010.10.20
地球宿のボウさんという友達がいる。
彼は安曇野の古い民家で旅人の宿をしながら、農的生活をおくっている。
お米や野菜など食品は家族と旅人へ出す分がほぼ自給できていて、
多めに収穫できた分は販売もしている。
僕にとってボウさんは信州へ来てはじめての友人で、
その後の素晴らしい数十人と知り合うきっかけを作ってくれた恩人。
この初夏ごろだったろうか、
大正時代の民家を宿にしているのを、大地震が心配な僕としてはいくつかアドバイスをし、
市の耐震診断などにつきあった。

そのボウさんから、彼が丹誠込めて育てたアイガモ農法のお米(もちろん無農薬)の新米がとれたので、
あのときのお礼に用意しておくよ、というメールが先日来た。
今までもハギーファームの萩原さん、バジルクラブの鈴木さんから丹誠込めて育てた無農薬のお米を買っていたのだけど、 「友人が育てたお米という有り難さ」と「僕がした奉仕へのお礼としていただける嬉しさ」
この2つが掛け合わされると、これは別格に有り難いものだと実感した。
「奉仕とお礼」というのは、お金を使って買うのとは意味合いが全く違うのだ。

そしてもうひとつ気が付いた。
お米がお金を替わりをしていた時代、お米はさらにもっとすごい存在だったはずだ。
餓死が背中合わせにあった時代に、飢えをしのげるお米の有り難さはまさに命の糧。
トラクターや農薬・化学肥料のない時代に、
人力・馬力・自然の恵みを駆使してコツコツ育ててくれた人への感謝は如何ばかりだったろうか。
そして自分が施した労働へのお礼として、そんな大切なお米を受け取ることができる自分へのねぎらいと誇り。
あぁ、お米にはすべてが詰まっていたんだ。
ボウさんからのメールを読みながら、お米のありがたさへの気付きと、
それを感じさせてくれるなんて幸せな世界へ僕は来れたのだろうと思ったら、泣けてきてしまった。
涙もろくないはずの僕が、メールを読んだだけで泣けてしまうのだから、
こりゃぁ食べるなんつったら涙と鼻汁でタイヘンな塩味になりそうだ。

そんなお米(もちろん玄米でいただきます)を、今日炊いたのです。
うまい。
おぉこりゃ、んまいっ!
パク、パクパク。
カーチャン、オカワリッ!
(でも本日はカーチャン不在。自分でよそいます。ま、居ても自分でよそう家庭ですが)
ゴチソーさまでしたっ!オー今日も元気だ。
ゴメン、ボウさんのことはぜーんぜん思い浮かばず無我夢中で食べてたわ。
できたら明日こそ、思い出してみるね。


【ヴェールの掲載と図面販売の予告】2010.10.19
ヴェールが建築誌ふたつに掲載となります。
ひとつは本日発売の 新建築 住宅特集2010年11月号。
もうひとつはマイホームプラスVol.22秋号で、今月21日に発売となります。
新建築社の写真は、相変わらずカチッとしています。
マイホームプラスはスナガのワガママを聞いてくださって、
(だって、魂の込もった写真を載せたいじゃない?)
末吉陽一さんに撮っていただくことができました。温かい写真です。
ちなみに、もはや建築写真とは呼べないほどに詩情あふれる保坂彩樹さんの写真は、
すでに私の書斎には掛けているのですが、スキャニングが終わっていないのでHP掲載はしばしお待ちを。

そして今作ヴェールもまた全図面販売をおこないます。発売は11月の中旬です。
杉シェルターから始まった須永の工法「じくばん造」、社会の財産として活用していただき、
後世への架け橋となればと願っています。
しかもヴェールの図面をご購入いただいた方には、杉シェルターの全図面セットもプレゼント!
以前、杉シェルターでご購入してくれた方へは、ヴェールの全図面をプレゼントします。
杉シェルターは「閉じた箱」でしたが、ヴェールは中庭開放型の寄せ棟屋根ですので、
バリエーションの参考にしていただければと思います。


【ムリせずはじめる家庭の防災】2010.10.09
長野に来て丸二年、充電バッチリ完了です。
いい人にもたくさん出会えたし、体も心も栄養たっぷり、溢れんばかりだ。
そろそろこの地での活動を始動しようと思います。
(仕事はもちろんコツコツやってますが、それとは別のライフワーク・地域活動として)

まず手始めに、極めたと言えるくらいの得意分野「住まいの防災」について、
この地の方々へ自己紹介も兼ねて自宅を会場にして講演します。
詳細はどうぞこちらをご覧ください。

防災の次からは「シリーズ 大人の社会勉強会」として、
テレビ・新聞が採上げない学校でも教わらなかった社会の姿を、あたらな目で確認していきます。
お金ってずいぶん怪しいものらしいよ、とか
マーガリンってプラスチックと同じ組成なんだって、とか
植物の種のほとんどを実はある農薬メーカー1社が握ってるんだよ、とか
各自が知ってる断片的な知識を交換し合ったり、分かりやすい本を紹介し合ったり、
ささやかな幸せを守って健全に生きていくために、本当の社会勉強をする、大人のための会。
こちらは僕が講師役をするのではなく、茶話会的にワイワイやりたいと思ってます。
興味があればどなたでも、ぜひどうぞ。


【お手伝いを、おねがい】2010.09.07
ヴェールが建築誌の新建築 住宅特集に掲載されることとなり、
今週末に撮影をすることになりました。
撮影のときに家具をズラしたりというような、ちょいとした手伝いをスナガと一緒にしてくれるかたが1人〜2人いてくれると有り難いのですが、 興味のあるかたはご連絡ください。
9月11日(土)、千葉県四街道市です。sd@sunaga.org
※おかげさまで無事終了しました。Sさん、献身的なお手伝いをどうもありがとう。本当に感謝です。


【住宅も建築家のサクヒン?】2010.08.03
建築家にとっては作品ですし、暮らす人にとっては誰のものでもない我が家でしょう。
ふたつの解釈があって、いいと思います。
作家は、その家族のただの家を超えたものをつくろうと、苦しみ、格闘します。
世の中が今より良くなるように、そこに生まれてくる小さな種、作品の力を信じています。
でも、そんな作者の意図など気にもせず、暮らす人がジャングルジムのように新しい遊び方を発見しながら、
一生かけてメタメタに使い倒してくれたら、それもまた産んだ作家の喜びなのです。


【褒められて伸びる法】2010.07.22
誰しも「もっともっと成長したい」と思ってますよね。
「オレ、ホメられたら伸びるタイプなんだよね」って思いますよね。
そして一般的には「他者とは、ワタシを映すカガミ」とよく聞きます。
また「相手の悪い面を指摘せず、良い面を見つけていくのが、いい循環」という教訓も耳にします。
でも実際には「常に、相手のいいとこ見つけて」なんて、かなりの人格者じゃなきゃ出来ない、それもまた現実。
だから「自己啓発本」が良く売れたり、「ニンゲンカンケイ」の悩みが絶えなかったりする。
そこで、気が付いた。スゴくシンプルなこと。
この一言だけ身の回りの人に言っておけば、すべてがウマく回り出す、ハズです。
そんなマジックのような言葉、いきますよ。

『あなたは人をホメて伸ばすのが上手だね』
これを一番身近な人に言う。妻でも、上司でも、同僚にでも。それだけ。

だって、「ホメ上手」って褒められた方は(ヤヤコシイ表現だな)、ホメ能力が伸びるのだから、
きっと今度からは僕の良いところを「自発的に見つけて」「自発的に褒めてくれる」ようになるハズでしょう?
「カガミ」で「循環」で「褒められる程に伸びる」だとすれば、ね。
図式で描くと少し分かりやすいかな。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
「自分がスクスク伸びていく」ためには
↓ ↑
「(身近な)相手が褒め上手だと」好都合。

「相手を褒め上手へとスクスク伸ばす」ためには、
↓ ↑
「アナタは人を褒めるのが上手だね」と"褒め"る。

「相手のホメ能力が強化」されれば、

結果として「自分がスクスク伸びていく好環境」の出来上がり。メデタシ、メデタシ。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
「自分がスクスク伸びるたい」という我欲を実現するために、
相手(カガミ)へ小さくプレゼントして大きく回収(循環)するのです。
「柔よく剛を制す」とでも言いますか。(チガイマスカ?)
ちょっとズルい理論かもしれませんが、何故か相手もハッピーになっているハズです。
これもまた「ひとりで」「勝手に」始めて、世界(周辺環境)を変えてく方法、ではないですかね。
(ついでに「世界から戦争をなくす方法」はテレビと新聞を見なくすることです。間違いなく。)
いかがでしょうか?

やっぱり・・・まずは須永家で実験してみますか。
でもね、もともとウチの妻は褒め上手でなんですよ。(いまさらノロケるわけじゃないんですが)
僕が泣かず飛ばずで食うや食わずの頃からずっと「今はまだ報われてないけど、アナタは成功するタイプよ」
って言ってくれてます。
「だろ、オレもそう思うんだ。ま、死んでから評価されるゴッホみたいなタイプかもしれんけどな」
「・・・所帯持ちは、成果は生きてるうちにあげてください」
「・・・・・・。」

※使用上の注意:この『褒められて伸びる法』には謙遜しない図々しさも大切です


【個人的回数券 の提案】2010.07.05
「個人的回数券」なるものを作りました。 この春には頭の中で出来ていたのが、気が付けばもう夏。エイヤッでカタチにしました。 またしても「だれでも」「かってに」「ひとりから」始められる、の提案です。 今回もまた言い出しっぺの自分から始めてみます。あなたも興味があったらぜひどうぞ。 詳しくはこちら個人的回数券をご覧ください。 きっかけはこんな↓感じです。考えの背景はこんな感じです→5年前に書いたこと

以前ラグーンというレストランのリニューアルを手掛け、 それ以降ラグーンへ食べに行く頻度が増えた。 友達やクライアントを誘っていくこともある。 いただいた報酬は美味しい料理に化けて私の栄養となり、 お金はマスターのもとへ還流していく。たぶん十数年後には報酬分を食べ尽くせるだろう。 ・・・あれ? だったら初めからお金はいらないな、お互いに『ツケ』で払えばいいじゃないか。
この関係は商店街の店主同士にも当てはまる。 魚屋さんと八百屋さんは物々交換でもいいハズだ。 「円」を介すと所得税だの消費税だのがお互いに発生してムダが多い。 加盟商店内だけで流通する金券を刷って廻し合っていれば合理的。 (しかも「円」ってヤツに慣れちゃうと「値段」と「価値」がいつの間にかスリ替わって、 損だの得だのと人を疑り深くもさせるよね)

そこで、この商店街の金券を少し展開させたのが「地域通貨」というもの。 知らない人は知らないけれど、知ってる人は知っていて、日本中あちこちの街で細々と実践されている。 多くに共通するのは「生活に必要な物のやりとりは、経済という魔物から切り離そう」という考え方。 ただ数百種類ある地域通貨がそれぞれ独自のシステムで行なわれていて、 「どうやったら参加できるの?」「どんなルールなの?」「どこで使えるの?」と、 ハードルがいくつもあって初めての人がスムーズに理解・参加できないので、成功している例が少ない。 理念には皆が賛同するのに、うまく実行できていない、「地域通貨」は実にオシイいのだ。 僕もかつて武蔵野市で地域通貨「エト」の立ち上げに参加し、ご多分に漏れず広める難しさを実感した一人だった。

この昨今、グローバル経済はちょっとマズイというのは、もはや誰もが思うところでしょう。 (先日のNHKスペシャルでもギリシャの財政破綻を分かりやすく解説していました。再放送が11日にBS2で) そして経済をちょっと勉強してみると「かなりヤバい」ということが分かってくる。 うんと勉強している人は「近く必ず壊滅します」とまで宣言している。 「巻き込まれるのイヤだなぁ、外的要因に振り回されず、小さな個人なりの小さな幸せを築いて、 ささやかに生きていきたいだけなのに・・・」 と悶々としていたなか、ある日ハタと思いついた。
なんだ、肩たたき券でイイんじゃん!

※資本主義経済の危うさと地域通貨の意義についてはNHKで放送された「エンデの遺言」を見ていただくのが手っ取り早いです。
(読むより動画を見る方がラク)


2010.05.22
『ヴェール』をWorksに掲載しました。
今作から、レイアウトを少し変えてみました。
ひとまずは須永撮影分の写真です。
写真家に撮ってもらった方は秋頃追加する予定です。

2010.04.28
いよいよ完成。『ヴェール』と名付けましたが、
もうひとつ『リフレクション』と言う名が候補でした。"乱反射"という意味合いです。
四角いシンプルな空間に、ガラスをハメ込むことで反射が起こり、繰り返され、
板柱に共振・共鳴して、空間に気配の響き合いが生まれる。
そんなことも実際に体感できる珍しい機会ですので、オープンハウスにはぜひいらしてください。
撮影の日は、ちょうど雨ふり。じつは・・・これを待ってました。
写真家と顔を見合わせ「今日の天気は最高だったね」と。
彼の写真が出来上がるのは夏頃の予定。楽しみはじっくり寝かせて待つことにします。
とりあえずは僕の撮ったのを載せておきます。

【家市(いえいち) オープンハウス&ギャラリーのご案内】2010.04.21

住宅『ヴェール』のオープンハウスをおこないます。今回も家市(いえいち)と銘打って、生まれたての空間を2日間だけのギャラリーとして展示・販売を、少しですがおこないます。場所は千葉県の四街道市というところです。新宿から電車で1時間半ほど要するので、あまり沢山のかたがお見えにはなれないかもしれません。来ていただいた方とお話ししてゆっくり時間を過ごせたらと思います。

いつも家具や小物でサバイバルデザインの建築に愛らしさを加えてくれる家具工房ma-GUさん、
今回初めて陶器の美しい洗面台を焼いていただいた小谷田潤さん、
氷の塊のようにかがやく引手を作ってくれた今村知佐さん、
いつもサバイバルデザイン建築を写真で静かに表現してくれる詩人の保坂彩樹さん、
そして僭越ながら、私の妻・志保が天然石のジュエリーづくりを松本移住を機に本格的にやっていますので、
今回は彼女の作品も置くことにしました。
お店の内装を以前お手伝いした本格カレーのインド富士さんは新作のカレーパンを届けてくれそうです。
あとは信州暮らしで出会った美味しいものも用意して、お越しをお待ちしています。
私、須永豪も建物を解説して廻る30分ほどの案内ツアーをやる予定です。

おとなりの佐倉駅からは、川村記念美術館への送迎バスが出ています。こちらは美しい庭園と自然散策路、マーク・ロスコの壁画に包まれる赤い部屋での幻想的で平静な空間体験など、一日いても飽きない充実した美術館ですので、小旅行気分で足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

■家市 at『ヴェール』
日時:5月3日(月祝)、4日(火祝)、10時から夕方5時(入場は夕方4時まで)
場所:千葉県四街道市
交通:徒歩で JR総武本線 物井駅より19分 (駅西口よりバス便もあり)
車で 東関東自動車道 四街道ICより3分 (近くに大型スーパー「三徳」あり)
(個人住宅ですので住所はweb上に公表しません。こちらinfo@sunaga.orgに「案内希望」と書いてお送りください。「お名前・連絡先メールアドレス・ご住所・電話番号」は必ずご記入をお願いします。折り返し住所・地図を返信いたします。メールが苦手な方は電話でお問合せください。)


【ヴェール】2010.04.20

深い軒からヴェールを吊り下げてつくった外回りの回廊、変形した中庭を囲うガラス面によるマジックミラー効果、空間に立つ板柱による気配の分節と反射、それらがつくる距離感により、街に対しても家の中においても「閉じすぎず侵されない向こうがわ」が生まれました。そんなことを体験していただければと思います。
軸組木版造の2作目として、工法の特性を活かしたスリット状の窓、深い軒と寄せ棟屋根、内部空間は前作「杉シェルター」にはなかった白い 空間など新たな試みもしています。
また、いつものように素材は手に触れるところを大切に。今回もそれを一歩進めて、戸の引手は氷のように輝くガラスのかたまりをガラス作家 今村知佐氏に、洗面器・手洗い鉢は花を生けたくなるような柔らかなフォルムの陶器を陶芸家小谷田潤氏に、シンプルな引手や愛らしいポストは家具工房ma-GUに製作してもらいました。
この住宅のタイトル『ヴェール』とは軒からの鎖樋と縄を登っていく緑のツタのことを指しています。伝い流れる雨が遊び、それをスリット窓から眺める、雨の日を楽しみたくなる家です。


2010.04.17
オープンハウスの日程が変更になっていますのでご注意ください。このところの雨で工事が遅れてしまったことなどいくつかの理由で日程を後ろへズラすことになりました。もしご予定を空けてくださっていたようでしたら申し訳ありません。いま工事の追い込みです。いい状態で見ていただけるようがんばります。


【サバイバルデザインの基本姿勢 その1】2010.03.31
サバイバル?
いま、私たちはとても恵まれた時代に生きています。
獣から襲われることもなく、収穫がなくてひもじくお腹をすかせていることもなく、
きっと明日も、平らな床の上で生きていることでしょう。

一方でいろいろ複雑な世の中でもあります。
時代や・社会・地球環境のことと無関係ではいられませんし、
大地震のこと、化学物質のこと、お金のこと、など、安全に生きていくための新しい心配事も増えています。
「安心して私らしく生きていく」たったそれだけのささやかな願いが、どうしてこうも難しいのでしょう。
でもほんとうは、建築にできることは沢山あるんです。

私たちの人間らしい「サバイバル」ってどんな生き方だろう?
無意識のうちに感じていた問いが、事務所の名になりました。


一生つかえる建物を、と考え続けた末に
断熱材のいらない建物をつくるようになりました。壁も屋根も木で全部詰まった"100%の木造"。
結露が無ければ腐りにくく、将来の大地震でもしっかり耐えることでしょう。
シンプルで頑丈な工法ながら普通の建築コストでできます。
しかも日本の山林には出番を待っている木が溢れているのですから、
国産の自給材を使い後ろの世代や途上国に負の遺産を押し付けないのは当然のこと。
「自分のため」と「みんなのため」は両立できるはずです。


現代的な暮らしは、まだ分からないことだらけ
建築に期待するのはまずは『安全』でしょう。
ふくれあがってしまった都市部での大地震、先の見えない異常気象、
危険性を指摘されながらも放置されている電磁波の問題などに危機感を感じています。
大地震を見越して効果的で安価な減震材を建物下に敷いたり、
内装材は素性の知れた自然のもの、電気のコンロや暖房は避け配線も注意深く扱うなど、
未知の問題に対ししておけることを日々探求し、設計を進化させ続けています。


楽器のように、建築もつくりたい
バイオリンやギター、アコースティックな楽器はみな、
すべての部位・パーツが影響し合い、調和してそれぞれ固有の音色を響かせます。
建築もまた空間と素材による「共鳴する殻」にしたいと思います。
その空間と中の人が発する気配とが影響し合い、調和し、反射し、
いくつもの音が重なって豊かな和音となるような、アコースティックな建築をつくっていきたいと思います。
その結果として表れるものが『デザイン』ではないかと思います。

著書の「住宅作家になるためのノート」では、古今様々な建築を分析する中で見えてくる、
これからの世代への住宅の在り方を、私なりの切り口で提案しています。
こちらもご一読いただければと思います。


生きてくために本当に必要なもの
いい建築は、人を幸せにも健やかにもします。
写真に写せない感動があることを、多くの人に体験して知ってほしい。
いままでは住宅や店舗を多く手掛けてきました。
今後はそれと平行して、誰でも利用できる場も設計していこうと思います。
たとえば街の診療所や小さな宿泊施設、お寺など。
朝、闇が解け日が昇り、西の空が黄金色に染まり暮れていくまでを、
ゆっくり何もせずに空間・時間を味わい人生への想いを巡らし、活力を取り戻す場。

建築は静謐で素朴な器でありたいと思います。晴れの日もあれば雨のときもあります。
雨の音を静かに味わえる器をつくりたいと思います。

2010.03.31 須永 豪


【中古の住まいは本当に「お得」なのか】2010.03.28
先日テレビ番組で中古の住まいが特集されてました。テレビの言うことを鵜呑みにする人はそんなに居ないと思いたいけれど、気になった点をいくつか書いておきます。

お得な中古に人気が集まっている、
という見方が紹介されていました。グローバル経済崩壊の流れからという文脈のようです。たしかにマンションも建売り住宅も、新築よりは中古がお得です。新築はデベロッパーや不動産会社など、建主業者の利益がしっかり載せてある分、本当の価値より価格設定が高いのです。中古市場での取引価格こそが、市場の評価・価値だと考えるべきでしょう。中古でまず気をつけるべきは1981年の新耐震基準以降かどうかです。建築された時期が1981年(〜83年ごろ)以前であれば耐震性能が著しく劣るため、大地震で命を失う危険すらあります。キッパリと言います、「お得だから」という理由で買うような物件ではありません。

耐震補強済みや新耐震基準なら安心か、
と言うとそうでもありません。大地震でペシャンコにならなくても、全壊・半壊の認定を受けるような壊れかたは充分に有り得ます。「さてこの建物を、高い費用を掛けて直すか、壊して処分するか、怖いけどこのまま使うか」の判断があります。マンションの場合は住人みんなで建物を所有していますから、意見が割れて5年も10年も危ない建物のまま暮らすことになったり、所有権の放棄もしたくてもできなかったり、ということが実際に起こっています。大地震には遭わなかったとしても、老朽化・寿命をどう見極めるかはこの先必ず発生する問題と前々から言われていました。マンションの想定寿命は当初の100年から60年→50年と寿命の評価が低くなってきています。ちょうどそろそろ初期の分譲団地が建替え寿命の時期に入っていましたから、社会問題として出てくることでしょう。(この日本のことですからたぶん法整備も後手後手でされていくのでしょう)
どうでしょう、それでも中古マンションはテレビが言うようにお得だと思いますか?

問題を先送りに
という意味では築浅の物件ならまだマシかも知れません。ただし戸建住宅の場合、寿命の平均は26年です、現在の統計では。寿命を越えた木造に多少の耐震補強を施したところで10年・20年補修いらずの延命になるとは思えません。70才を過ぎた老人にムリをさせるようなものですから。それに、そもそも経済成長期の建物はつくりが粗悪です。古い木造に現代的リフォームしてシェアハウスにする、リメイク着物のような感覚でカッコイイのかもしれませんが、建築はファッションではありません。最低限の耐震だけは確保しておいてほしいものです。

なぜ、こんなにまで「安全」に口うるさいのか、
それは「地震じゃ人は死なない、建物が人を殺しているのだ」という重い事実があるからです。阪神の震災を例にすれば、死者の約9割が建物・家具の倒壊による圧死、約1割が建物から逃げ出せなかった人の焼死なのです。そして大地震にあう確率は、東京を例にすれば30年以内70%、ここ長野県松本市では14%、阪神淡路の野島断層にあっては8%以下の評価でさえ発震しているのです。つまり多くの人が一生のうちに一度は大地震に遭い、その瞬間には建物内にいる確率が高く、今日もまだ大地震への備えをナメている人は、そのとき何かしらをきっと失い痛手を負うことになると予測できるのです。このままじゃ惨劇を繰り返すことが目に見えているから、テレビが言わないこともお伝えしなくてはと思うのです。

「現代」が抱えたいくつものバクダン
そのテレビ番組では、田舎暮らし支援としてまだ十分住める家を市役所が紹介するというのを採上げていました。東京からの若い家族がその建物に案内され、窓を開けてみると目の前には一面の水田が広がっている。「わぁー!」感動する家族。気持ちは分かります、分かりますが・・・。普通の農家さんはお仕事ですから、除草剤や殺虫剤などの農薬をしっかり散布するので、水田からはそれが絶えず蒸発します。家の目の前に水田や畑がある場合は、春から秋まで洗濯物は干せず、窓は開けらず、でも結局空気からは逃げられず・・・で、化学物質過敏症やアレルギーも悪化の可能性がグンと高まります。つまり私たちの暮らしは、快適な現代生活の裏にある負の遺産といつでもどこでも共にあるのです。

世界で共通、大地震の課題
ちょうどきのうBS世界のドキュメンタリーではすごくいい番組が放送されていました。『検証ハイチ地震 被害拡大のメカニズム』というイギリスのドキュメンタリー、これはぜひみなさんに紹介したいです。タイトルにはハイチとありますが、共通して世界中の都市が抱えている現代特有の危機を分かりやすく解説し、しかも情報量も豊富で秀逸の出来です。こういうのを見て真実を知れば、いくら「お得」だろうとも命まで賭けてボロ住宅を選ぶなんて、日本人はどうかしちゃったんじゃないかと気付くのでは? と思います。
(録画したDVD、切手代だけご負担いただければ個人的にお貸しできます。またはNHKオンデマンドで315円で見られます)



【今日からできる防災 4】2010.03.09
大地震への備えについてこれまで何度か書いてきました。ちょっとはなしが飛んでしまいますが、今回は大地震で原発が被災した時にどういう対処を取ればいいのか、『原発震災』のことを書こうと思います。

大地震では、原子力発電所も被害を受けることがあります。
日本原子力マップ』からわかるように、この小さな国土を取り囲むようにたくさんの原発があります。 なかでも世界で一番危険な原発と言われているのが静岡県御前崎市の浜岡原発で、東海大地震の震源となるプレートの真上に建っています。 「最大の地震に耐える設計とした」と言いますが、阪神の大地震や新潟県中越地震では想定を越える揺れが起こっていたり、当時は縦揺れが想定されていなかったりと、不十分さが指摘されています。また敷地周辺には活断層も見つかり、原発の真下にも断層が通っていることがわかりました。かつての関係者からも、阪神級の大地震には耐えられないから廃炉にすべきという声や、そもそも岩盤の強度に偽装があったなどの内部告発もあがっています。それでも今なお浜岡原発は実際に稼働しています。そんな浜岡原発で事故が起きると放射能はどう拡散するのか、チェルノブイリで避難勧告が出された半径320kmに当てはめてみると西は神戸、東は茨城、北は新潟までがスッポリ入り、しかも日本は風が北西への向かうので関東首都圏を放射能は直撃し人が住めないエリアとなることが提起されています。
・・・こんなはなし、知っていました? 教育もメディアも肝心なことを私たちに教えてくれないので、自分で調べて学ぶしかないのです。

ではそれが起こってしまったとき、私たちはどうすれば良いのでしょう?
対策は、家に閉じこもるか、逃げるか、です。放射能が横浜に到着するまで6時間ほどだそうで、その間に判断と行動を完了しなくてはなりません。
逃げるなら、風向きを読んでより遠くへ。しかしただでさえ大地震の直後ですから、道路が大丈夫か、渋滞に巻き込まれるないか、課題もあります。 閉じこもるなら第一波をやり過ごすのに10日ほど。窓や給気口・換気扇に目張りをし、手元にある食料と確保した水で生き延びることになります。準備しておくものは、目張り用の大きいビニールとガムテープ、マスク、食料と水(水道からの水は放射能に汚染されている可能性がある)、ヨウ素剤かヨウ素の含まれた食品(サッと食べるにはとろろ昆布がよい)、暖をとるためにカイロ(石油やガスを燃やすものは密閉空間では一酸化炭素中毒の危険があるので使えない)や電気が止まっていなければ電気ストーブ・ホットカーペットなどは使える。(とはいえ電気で暖をとるのはあまりお薦めできない。電磁波は体の免疫力を低下させるため。電磁波問題についてはまたいずれとり上げます) そうやってまずはジッとやり過ごすことになりますが、空気が汚染されれば雨が汚染され土が汚染され、そこで育つ作物は食べられなくなるので、結局移住するしかなくなります(地価も下落します)。さてどこへ行きましょうか・・・。(でもこんなこの世の終わりみたいな話しは映画みたいで、現実味も感じにくいですね)

「でも、原子力発電所って"安全"って聞くけど?」
と思われる方もいるかも知れません。もちろん国や電力会社は危険だなんて言いません。しかしながら美浜、東海村、もんじゅ等々、事故はたびたびあり、また事故隠しの隠蔽体質があるのも明らかになっている事実です。危ないと指摘しうったえる活動が後を絶たないのはなぜでしょう? 仕事でもないのに署名を一生懸命集める人がいるのはなぜでしょう? 「なんだろう?」「それホントなの??」と思ったら、まずは自分で調べてみましょう、検索してみてください。安心という思い込みにとどまっていては、ただの思考停止です。知らないことが安心ではなく、積極的に知ることが本当の安全安心に繋がるのではないでしょうか。

いくつか参考になるものを紹介します
放射能で首都圏消滅-誰も知らない震災対策』という本をまずは読んでいただくのが一番です。イラストが多くて分かりやすく、要点がまとまっているわりに薄い本です。もしもの時に備えて持っていたい実用的な1冊です。
ストップ浜岡原発』というサイトでは風に乗った放射能が流れていくシュミレーションや、科学者の証言など動画で見ることができます。
原発がどんなものか知ってほしい』というサイトには長年原発を建ててきた現場監督さんの手記が掲載されています。原発が最高の技術・最高の品質管理で建てられてきたものではなく、場当たり的につくられてきた実体がとても分かりやすい言葉で語られています。
浜岡住民との対話』はそのかたの座談会で、原発技術者の本音を知ることができます。
東京原発』という映画は都知事の「東京に原発を誘致して財政難を切り抜ける!」という英断からはじまるコミカルなストーリーで楽しみながら原発について知ることができます。実力派の豪華出演者ぞろいながらあまり話題にならなかった、とても勿体ない映画です。日本人なら全員が見た方が良いと思うのですが。
『核の警鐘-問われる原発の安全性 (動画1)(動画2)』はNHKで放送されたフランスのドキュメンタリー番組。過去の大事故の例や、原発稼働の実体、外部へ放射性物質が放出された際の避難シュミレーションから明らかになる想定と現実のギャップの問題などがよくわかります。
『チェルノブイリ原発 隠されていた事実 (動画1)(動画2)(動画3)、』というNHKの番組では、チェルノブイリ原発が爆発したあの大事故、その直接原因は直前に起きていた地震だったと報じています。

いよいよ東海地震かとドキッとしたのが
2009年夏、駿河湾を震源に震度6弱の大きな地震でした。本当に生き延びるつもりなら高速道路が崩れている映像をTVで見た時点で、浜岡原発が事故を起こしている可能性もあると判断して、すぐに家族を帰宅させ、とろろ昆布をムシャムシャ食べてヨウ素で甲状腺を守り、すべての窓に目張りをし、水道水をありったけの容器や浴槽に貯めて、原発の状況についての情報収集をする、という行動が必要だったわけです。結果的には稼働中だった原子炉は緊急停止が成功し危機一髪救われました。
さかのぼる事2007年には新潟県中越沖地震の柏崎原発では煙があがっている映像がありました。こちらも結果的には大事に至りませんでしたが、後にまとめられた事故調査の本を読むと、奇跡的に運がよかっただけのようで、私たちが知らないだけで危機には何度もさらされていたことが分かります。
昨年夏の駿河湾震度6弱の翌月に「東海地震 ひずみがたまり過去30年で最も危険な状態」という報告が出ました。東海地震の”いつ”を知るために観察が続けられてきた、プレート境界のスロースリップの話しです。
そして今月5日、静岡県島田市の温泉では源泉の水位が異常に低下したとのことです。温泉や井戸が急に涸れるというのは大地震の前兆と昔から言われています。浜岡原発にも近い場所ですからちょっと心配にもなります。

『トンデモ』系はいったいどちらか
最近疑問に思えてきました。いつまでも東海地震が発震しませんようにと心から願っていますが、そんな甘い希望を抱いている方がむしろ非科学・非現実で『トンデモ』な思い込みと言った方がよいのが、情報豊富なこの現代ではないでしょうか。
大地震はいつどこで起きてもおかしくないと専門家も口をそろえる地震の巣・日本で、故障・事故続きの原発との共存は永遠にやっていけると本気で信じているのでしょうか。いまのところ原発縮小の見込みはありません。
この危うい世界で、原発に囲まれた小さな島国の中で、そこそこ幸せに生きてゆきたいと思うなら、もしもの備えだけは各自で日頃からするべきです。災害の多くはじつは人災です。タンスが倒れてこなければ、ボロい建物の中にいなければ、高層ビルを高速道路をつくらなければ、原発が爆発しなければ、国や電力会社に待ったを掛けていれば、あの人にも教えてあげていれば、れば、れば・・・。災害は起こってしまってからの後悔が本当に無念だと思います。でもそれを防ぐ手だては、私たちひとりひとりがいつも握っているはず、希望はあるはずなのです。

※あぁ、また愛想もユーモアのかけらもない硬い記事を書いてしまいました、今後は気をつけます。最後まで読んでくれたかた、いつも更新をチェックしに来てくれるかた、どうもありがとうございます。上記で紹介した本等は個人的にお貸しできるものもありますので、メールでご連絡ください。往復の切手代だけご負担ください。


【シックハウスか?と思ったら】2010.01.30
「いまのマンションに暮らすようになってから、皮膚炎や喘息・アレルギーがひどくなった。シックハウスが原因じゃないかと思うので、家を建てるときは自然素材にしたい」という話しをよく耳にします。
「うーん、アレルギー、そりゃぁ厄介だぁ。確かに住宅建材に含まれた化学物質が、不調の要因かもしれません。さぁ今すぐに自然素材で家を建てましょう!そりゃぁいい素材を使えば割高にはなりますけど健康には換えられませんよね。どうせならエコでソーラーパネルも載せちゃって、トドメは電気代がお得なオール電化っ!」・・・なんて、商売根性を出してみたいところですが、言えません、そんなデタラメ。

アレルギーで建材を疑うのも1つです。そりゃいい家を建てたいですよね、お金さえあれば。でもまずは身近な事から考えましょう、ちょっと身の回りを見渡してみてください。たとえば通販で買った安い組み立て家具やカラーボックスも、建材で問題になった物質「ホルムアルデヒド」が揮発している可能性があります。カーペット、布団、毛布は「化学繊維」ではありませんか?その細かいホコリも『化学物質』ですよ。ところでもっと身近な洋服、天然の素材ですか? Tシャツやトレーナーのプリントからも基準値を驚くほど上回る高濃度のホルムアルデヒドが検出されたりするようですよ。自分が選んで買ったもの、そこからも怪しい化学物質が発散され、日々体内に吸込んでいませんか。

食べているものはどうでしょう?。人の体は(当たり前ですが)自分が食べた物で出来ています。食品からのタンパク質が細胞に取り込まれ代謝していく、すべての細胞が入れ替わるのに数ヶ月だそうです。残留農薬や食品添加物、魚介類の水銀・ダイオキシン、畜産物の抗生物質等には気をつけていますか? それぞれは規定値以下のはず(と思いたい)ですが、様々な食品から摂取していれば結局たくさん食べてることになります。そうだハミガキにもフッ素が入っていますね。

皮膚からはどうでしょう?皮膚にもたくさんの穴が開いていて物質を吸収しています(ニコチンパッチや咳止めパッチなどありますね)。『経皮毒』といってヘアカラー・パーマ液・化粧品といった分かりやすい有害物質から、ボディーソープ・シャンプー・リンス・ハンドクリーム・軟膏・洗剤・柔軟剤等といったものに含まれる化学物質も肌から吸収されています。お風呂に入れば水道の塩素も。塩素は特に蒸気で吸込みやすく喘息の大きな要因ともいわれます。化学物質は毎日4000種が新しく生み出され、その一方それらの発がん性解析は1年で40種ほどしか世界最大の研究所でもできないのだそうです。この現代的な生活はそんな未知の物質に囲まれているわけです。

現代的なのはモノ(物質)だけでなく、生活習慣もです。長年、人間という動物がしてきた"本来の生活"はどんなものだったと思いますか? 圧倒的な力の自然の中で生きていくには、デスクワーク、運動不足、夜更かし、睡眠不足、外食、多国籍料理、暴飲暴食などなかったことは想像に易く、当然冷房・冷蔵庫・テレビ・パソコン・携帯電話などなく屋内配線や発生する電磁界(電磁波)に生体がさらされるという特殊な環境も当然なかったわけです。

こうして考えていくと、いま私たちのしているごく普通の(つもりの)生活が、体にとっては望ましくないことばかりだと思えてきませんか? だってたった150年前が江戸時代、遠い昔じゃないのです。
 アレルギーというのは外からの刺激に体が過剰反応してしまう状態。それは体の免疫力が正常より落ちていることから起こります。免疫力低下は不健康な生活・悪い環境から起こるもの。ならばその分かり切った不健康な生活・環境を正したら症状は少なくとも軽くはなるはずで、病院で新しい薬を処方してもらう必要は無いんじゃ?、と思えてきます。

「家を自然素材で建てる」それも確かに環境改善の有効な1つです。お金があればぜひそうしてください。でもアレルギーや不調は今なんとかしたい問題ですよね。でしたらシックハウスを危ぶむとともにシック"ライフ"も疑ってみてください。"ライフ"なら今日からでもできることがありそうじゃありませんか?  僕自身も生活を改善して、アレルギー等の症状を困らない程度にまで軽くしてきました。不調の症状は人それぞれと思いますが、心掛けるべきことは誰でも同じ、カンタンなこと。近代化する以前の暮らしを心掛けること、それがいちばん手っ取り早いのです。
「じゃあ具体的にはどう生活すりゃいいのか」そんな話しを、これから書いていこうと思います。

[資料]わかりやすい本など
使うな、危険!』 『新・食べるな、危険!』 『それはDDTから始まった (動画1)(動画2)(動画3)、』
(個人的にお貸しすることもできます、往復の切手代だけご負担ください。)


【「冷え」る生活、は「温め」る】2010.01.29
ヒエルセイカツハ、アタタメル、アラタメル、・・・駄洒落になってますか?、ムリですか?、そうですか・・・。
でも田村正和が言えば・・・、しつこいですか。わかりました。
先日取材を受けたテレビ、NHK特報首都圏『“冷える”カラダ 温かい体を取り戻せ』を見ました。
とてもしんどい症状を患っていた気の毒なスナガさん→移住までして→「冷え取り」を実践→良くなってめでたし。
と、ハリウッド映画のように単純化されていましたね。ま、テレビの都合というのがあるのでしょう、やむを得ません。(インタビューではもっとイイこと喋ってたんだけどなぁ) ちょっと悔いが残ったので、ここに補足説明をしておくことにします。

 まず1つめに、僕は普通の人です。これといって病気をしたことはありません。ときどき風邪をひき、春は花粉症をナントカやりすごし、夜更かしして背中をボリボリ、徹夜の翌日にお腹をこわす、それくらいのことはありましたが、「冷え」で悩んでたことなど一度もなく、「若い時代は多少のムリはしながら色々吸収して自分を高めていくのが当たり前、今日も特盛り牛丼食ってがんばるぞ」というごくごく普通の若者でした。
 2つめに、「冷え」が最近流行りのようですがテレビや週刊誌が単純化して言うような「冷えという病気がある」わけじゃないと思いますし、「冷えてるのが→不調の唯一の原因」なわけもないと思いますし、「冷えさえ治せば→病気も治る」わけでもないと思います。もし温めることで歯の痛みが消えたとしても、虫歯が治ったということではないでしょう。僕は医者じゃありませんが、たぶん病気そのものには病気の原因を治療する必要があると思います。
 3つめが、「冷え」はごく一部の人だけのことではなく、「本人が気が付いているか・いないか」の違いで誰しもその傾向があると思います。僕もその「誰しも」のひとりでした。自身の体の傾向はどうか、試しに足湯でもしてみると「気持ちいい」と感じるか「不快」と感じるかで分かるのではと思います。

 さてココから本題、「冷え」というのはナニカ。僕は「冷え」というのは不調症状のうちのひとつだと感じています。不調症状には花粉症・体が痒い・お腹をこわす・肩こり・偏頭痛、など色々あって、人によっては複数あったりもすると思いますが、なかでも大抵の人に共通している症状が「どういうわけか冷えてる」ということなのでしょう。ではどうして不調症状が出るのかというと、2種類の原因から体が弱らせられてるからだと思います。ひとつが『外側からの要因』、ひとつが『内側の原因』。
 『外側からの要因』は、夜更かし・寝不足・運動不足・精神負荷(ストレス)・外食・肉食・乳製品・よく噛まない・常温以下の飲み(食べ)物・冷房・タバコ・アルコール、といったありがちな悪習慣、加えて化学物質や電磁波、コンクリート造(石室)のマンションなど、現代生活特有のもの。
『内側の原因』は胃腸がもともと弱かったとか、副流煙の中で育ったとか、子供の頃外でほとんど遊ばなかった、とか個人の体に由来するもの。(それらの関係を表すと下図のように)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
外の原因:現代的な生活習慣によって (現代人なら誰しも)
      ↓       (↑)
不調症状:アレルギーや体調不良や「冷え」など
      ↑       (↓)
内の原因:胃腸虚弱で (人それぞれですが、須永の場合は)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こうして2つの原因にサンドイッチされてるのですから、不調症状を取り除くなら本来は『外の原因』と『内の原因』を改善するのがスジなわけです。が、「ぇえー現代的な生活習慣をチェンジするのはムズカシイなぁ、胃腸虚弱を治すっても体質ってスグに改善できるものじゃないしぃ、グズグズ、グズグズ、・・・。」というワガママで気の短い現代人の私たちにもとりあえず手っ取り早く効果がでること、それが「冷えてるんなら、温度を補えば、とりあえず不調も軽くなる」という応急措置(対処療法)なのだと思うのです。同時に「冷えると→免疫力が落ちて→不調になり→また冷える」という悪循環を経つという意味もあるのだと思います。

 僕が2〜3ヶ月に一度の通院を7年続けてきたなかでは、もちろん『内の原因』の治療、漢方薬での体質改善がメインです。ただ『内の原因』が完治するまでは花粉症や乾燥症だの偏頭痛だの時々ある不調で対処療法のお世話にもなるし、悪習慣に無自覚なふつうの現代人でしたから継続的に先生と会って問答することが結果的に「価値観の改善」をする時間にもなり、今では早寝早起き、しっかり寝て、正しいものを食べ、余計なものを摂取せず、適度に運動する(を心掛ける)ようになってきました。そんなこんなで、現代的な生活悪習慣『外の原因』はだいぶ改善しましたので、あとは胃腸虚弱をちゃんと体質改善・克服できる日まで、応急処置で温度を補いながら乗り切ろうと思っているところです。おかげさまで健康です。
この流れで次回は『シックハウスとシック"ライフ"』という内容を少し書いていこうと思います。


【サバイバルデザインの基本姿勢 その2】2010.01.20
当たり前ですが、人を死なせない建物
阪神淡路大地震では、亡くなった8割のかたが、建物や家具の下敷きとなり、圧死・焼死しました。挟まれて死ぬのは、どんなに苦しかったことでしょう。迫ってくる火の海はどんなに怖かったことでしょう。救出をあきらめ逃げる他なかった家族はどんなに悔しかったことでしょう。想像するだけで胸が痛みます。建物さえしっかりしていれば、寝室にタンスなんて置いておかなければ、予想できた危険なのだから教えてあげてさえいれば・・・。多くの人に様々な後悔が残ったことでしょう。
大地震は「来ないわけがない」と学者は口を揃えます。あの惨事が、明日あなたの街で起こっても不思議ではないのが日本の現実です。建物を頑丈に作ること、古い建物の危険性とそれが沢山ある街の危うさを一般の人にも知ってもらうことは建築屋の最低限の役割だと思います。

人の健康を害さない建物
内装材が発するホルムアルデヒドやシロアリ駆除の薬剤などシックハウスによって、健康を冒され普通の暮らしが出来なくなってしまった方々がいます。そこまで酷くならずともアレルギーやアトピー、心身がなんとなくすぐれない、という原因が建物にあることもあります。日本ではアスベストや水俣病の例を見ても、国が対応をとるのはあまりの被害にどうにもならなくなった時ですので、自ら疑わしきものは避けて自衛しておくしかありません。いま私が危険を感じているのは電磁波です。まだまだ未開の分野でいい資料も少ないく手探りですが、できる限りの自衛を設計の中でしていこうと思います。

人生を狂わせない建物
建物はトランプのジョーカーのような面があります。建物が財産として人生を助けてくれるオールマイティな札になることもあれば、持っているが故に負債としてのし掛かり潰されるようなことさえあるからです。

例えば一般的な木造住宅の平均寿命は26年と言われていますが、それに35年ローンを組んでしまうのは、もう何かおかしいですよね。また経済優先の今の世では、金融の仕組みに振り回され人生を狂わされることも有り得ます。建築は大金を使う場面ですので、親身にやってくれるファイナンシャルプランナー(FP)のかたをご紹介したりもしています。

1981年以降の建物は大地震でも倒壊しない計算でつくられているはずです。ただそれは完成した時点での耐力であり、経年劣化や余震の2回3回は見込まれていません。また倒壊せずとも建物が歪んだり壁やガラスが割れたり家財・電化製品が壊れればその被害額は新築を越えることもあるでしょう。私の設計では、基礎コンクリートの下に地震力を減衰させる発泡スチロールを敷き並べ、揺れにくい構造にしています。そこに掛かるのはたった数十万円です。(さらに30万円程度のプラスで発泡スチロールと基礎コンクリートを利用した床暖房が可能です。こういうのが設計力による合理化です)

売れる建物ということも大事です。転勤や相続、親との同居の必要で帰郷するなど、この先何があるかは予想しきれません。そういう時に、あとから建った建物のおかげで日照が遮られてしまっていたり、建材からの新しい化学物質が問題になったりすれば、買い手が付かないかも知れません。高圧線下に家を建て暮らしているうち電磁波過敏症になり引越そうとした頃には電磁波問題が公になっていて売れない、なんて悲劇は目も当てられません。そんなことも考えながら設計し、土地探しのアドバイスなどしています。

地球に迷惑を掛けない建物
いまどんなものも「エコ」をうたっています。それらがみな50年後・100年後に振り返ってみた時も「いいエコだった」と言える物なのでしょうか? エコロジー、エコノミー、ナチュラル、ヘルシー、それぞれ別のことで相反することもあるハズですが、売り文句のごとく都合良くゴッチャに使われています。
建築業界は今でも日本の山林に溢れて困っている杉や桧・松を放置して、海外の木を伐り貧困の途上国から買い叩き、長距離を船やトラックで石油を燃やして輸送し建物を建てているのが大多数です。それでも実際たいして安くはありません。いま建築にできる確実なエコのひとつが、日本の山の木を使って家を建てることです。私たちの後ろの世代に、負の遺産をもうこれ以上残してはいけないと思っています。「軸組木版造」は着実に今できることです。

さてと、
そんな色々をよく考慮してまともな建物を建てようとすれば、そんなに安くはできません。建築家の費やす時間とエネルギーも膨大です。ですがきちんと設計がなされた建物は、定期点検と必要に応じたメンテナンスさえしていけば、一生(60年〜100年は)もつでしょう。またいい建築には想像を超えた感動がありますから、人を幸せにも健やかにもすることがあります。 余談ですが、私はマッキントッシュというコンピューターを愛用しています。毎日の実用の道具として、人間の感性に沿った使い勝手の素晴らしさと、それが過不足なく整理され反映されたデザイン(設計)の質実さには、他に代え難い価値を感じます。クルマや鞄などもそういうものかも知れませんね。

ではどんな建築屋さんを選ぶか、それはそれぞれの価値観・人生観だと思います。もしご縁があって、お互いにとっての良き出会いとなれば幸いです。 最後に、(よけいなお世話かも知れませんが)暮らし方や生活習慣は大丈夫そうですか? 建築の力を活かし日々を楽しむ、そのために生活に役立ちそうなことをこちらへ載せておきます。Dailyで日々書いてきた雑文の中から「コレは多くの人に知ってほしい」という事柄です。暮らしの参考になれば幸いです。


【建築家がなぜ健康に目覚めたか】2010.01.18
テレビの取材が来ました。でも建築のことでではなく、"患者"として・・・。
主役は川嶋朗さんというお医者さんで、僕と妻の体調を総合的に診てくれている主治医です。「現代人は体が(心も)とかく冷えてる。だからただ温めるだけでも体調不良の多くは改善する」ということを世にアピールされていて、番組で「冷え」を特集することになり、適当な患者の例として須永家の生活とインタビューを取材されることになったのでした。
診察は7年ほど前から受けてきました。コレといって立派な病気を抱えていたわけではなかったのですが、ムリを承知で鞭を打つ現代生活の悪習慣をひと通りしてきたため、よくお腹をこわしたり、腰痛や各種アレルギーに悩まされたりしてました。
と同時に建築の仕事をしていると「住宅に自然素材を使うことでアレルギーなど体調不良の改善を」と願う人が多く、でも本当に健康を取り戻そうと思うなら暮らす本人の日々の心掛けの方がずっと重要なのにと感じていたので、ではまず自分自身が生活を改善し「住まい(ハード)と生活(ソフト)の両面から、建主にアドバイスできるようになろう」と生活を見直すようになりました。
その経過はこのDailyで時々書いてきましたので、興味があるようでしたらこのあたりを見てください。階段をひとつひとつ登るように改善してきたので、現在では異なることも部分的にあったり、昔書いた文章で恥ずかしかったりしますが、悩めるかたの何かのヒントとなれば幸いです。
テレビは1月29日(金)19:30放送予定のNHK『特報首都圏』という関東甲信越で放送している番組です。インタビューって難しいんですね。質問に対して瞬時に的確な言葉を見つけて短い文章に組み立るってのは・・・、できなかったですねぇ・・・。あとはもう編集の妙技に期待です。数分の短いVTRだと思います。
余談ですが、建築家はスバラシイ空間に暮らしてるんじゃないかという誤解がありますが、ウチは普通の賃貸マンション、紺屋の白袴ですので期待しないでくださいね。オープンハウスのたび思うんです「いいなぁ、こういうところに暮らせたら、人生変わるだろうなぁ・・・」と。建築の空間もね、人を健やかにする力を持ってるんですよ。

2010.1月吉日
2010年、なんだかSFみたいな年号まで来ちゃいましたね。
本年もよろしくお願いします。
松本に来てからのこの1年ちょっとで、建築から離れた本をうんとたくさん読みました。
ネットでの調べものも興味のおもむくままに色々してました。
集めた材料をいっぱいアタマに入れて、うんと考え、議論をし、また考えるの日々。
「この先の生き方を知りたい」そのために「本当のことが知りたい」

建築の専門家としては、かねてより心配事はお伝えしてきました。大地震をきっかけとした都市部・密集地での大災害、新建材がシックハウスを引き起こしたの同様に様々な化学物質と電磁波がアレルギーの類いと大いに関係しているだろうこと、ここ最近は『エコ』という考え方がそれぞれ自分の都合のいいように使われていることに違和感をもっていること。

個人的には、家族とともに健全な暮らしを送れさえすればいいという、ささやかな望みしかいつも持っていないつもりです。ただそのためには『健康』は大切ですね。近代文明の中で生活習慣と食事を良い状態に保つのはなかなか大変ですし、「間違った常識」とも戦うことになりけっこう面倒です。

そして世の中では、経済の動きが世界的におかしいと言われるようになり、誰もがその波と無縁ではいられないグローバリゼーション。いっそ江戸時代のように鎖国でもすれば穏やかになるかなと夢想してみても、食料自給、エネルギー自給の恐るべき低さには背筋がゾッと寒くなります。「田舎で自給自足」にしたって税金は取られる世の中。日本国の借金は1世帯あたりの負担額にして1500万円以上。しかもいまも膨らみ続けている。コレじゃ未来が大丈夫とは思いがたい。

これまでは自分の専門分野を通して感じてきた危機感から、震災を見据えた建物、安全な土地選び、人体に害の少ない素材、経済的な工法、元気の充電できる空間といったことを研鑽・開発し安全を提供できるよう努めてきました。ところが、多方面に渡って情報収集していくと、それぞれ分野においても「この現状は早急に改善すべきで、このままではかなりヤバい」といいます。今日も私たちの前を通過していったなにげない暮らしは実はかなり微妙なバランスの上に存在していて、いますぐにでもそれを崩しかねない小さな引き金が無数にある。この近代文明の社会はというのは、ずいぶん危なっかしい世界のようだと再認識しました。

では、これから私たちは?
押し寄せる時代の大波に飲まれることなく、ささやかな幸せを守り通すにはどう立ち回ったらいいのでしょう。
大地震、恐慌、気候変動、食料危機、近代文明がつくった弊害と大いなるしっぺ返しなど、目をそむけたい話しですがこれらをうまく切り抜けて、健康でいきいきと、寿命あるかぎり元気で、文明社会ともそこそこ付き合いながら、「ああオモシロかった」と言って天寿を全うするジイさんになりたいものです。

建築の専門家としては何ができるのだろうかと、もちろん考えます。
まだだいぶモヤモヤした状態ですが課題は少しだけ見えてきました。いずれ必要とされるのは『超ローコストでローテクな住居』だと思います。突き詰めると、通販で買ってプラモデルのように自分で組み立てる500万円以下の住居、といった感じかもしれません。(こりゃぁ開発し甲斐がありそうです・・・。)
とはいえ、その実現にはまだ月日を要しそうですので、今年はwebの更新をもう少しマメにして、自分が得てきた知識のなかから、誰にとっても役に立ちそうなこと、お薦めしたい本などを、積極的に紹介していく予定でいます。

この新年のご挨拶は、正月から何度も書きかけては挫折を繰り返しました。ヘヴィーな現実の話題は、言葉を選びますね。でも事務所の名からして『サバイバル デザイン』ですから、僕の興味は常にそこにあり、これからもずっと「よりよく生きるために」と根源的な問いを続けていくと思います。 もしよかったら、感想や意見などメールをいただけると嬉しいです。今年もよき出会いが公私ともにあることを願っています。誰しも「一般のひと」は一方で「ある分野の専門家」で、世の中や生き方に対し独自の見解を持っているのではないでしょうか、僕もそのひとりです。いろんなかたと意見を交わしてみたいといつも思っています。

さて今年は、4月下旬ごろにオープンハウスが千葉でやれそうです。みなさんに体験していただき、感想をお聞かせいただけることを楽しみにしています。(できれば事前のご予約をいただけると安心です)
では、本年も前に進んでいきます。よろしくお願いいたします。
 須永 豪 sd@sunaga.org

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