Daily・・・日々雑感

2005.05.31 (tue)
目の前に現れた物事に対してどう反応するか、
そこには個人差があるようで、
その違いが『人となり』とつくっているなと、気が付いた。
あの人と、その人と、この人と、それぞれの違い。
・しっかり屋さんで責任感が強く、今まで壁をひとつひとつ確実に乗り越えてきた、正攻法のあの人。
・メンドクサイことがキライで、壁なんてものをわざわざ登らないで引き返しちゃう、回避が多いその人。
・いつでも遊んでいたくて、壁をよじ登らずに地面にトンネル掘ってみたりトランポリンを探してきたり、
 イヤなことは遊びに変えてウッチャッていくこの人。
現れた問題を目の前にして、自分の無意識の思考の中でまず何が起こっているか、
そこでの問いに大きな違いがある。
「それは自分のやるべきことか、どうか、」
「自分がやらんでもいいか、どうか」
「それはオモシロイか、どうか、」
最初の反射的な判断が、人によって全然違うみたい。
続いて2回目に来る、こんどは理性を伴う判断の方は大体同じに落ち着く。
「やるのが当たり前でしょ。」
「メンドクサイけど・・・仕方がないからやっとくか。」
「オモシロくはなさそうだけど・・・仕方がないからやりましょか」
とかいうことになる。
ある程度の社会性をもったオトナなら「仕方がない」という判断基準を持っているので、
結果としては同じなのだけど、でも確実に何かが違う。
たとえば、学生時代にはまぁそこそこ付合えた友人が、互いに年を重ねるほどに、
「あいつ変わっちゃったな」とか「ずいぶん偉くなっちゃったな」とか「落ちぶれちゃったな」とか、
加速度的に方向性やその差がどんどん離れていく、という経験は誰もがあるだろう。
その原因が、たぶんココの『反射的判断の違い』にあるのじゃないかなと、
今日久しぶりに会った2人の友人と自分とを照らし合わせながら、そんなことを考えていた。

2005.05.30 (mon)
単純作業ってのは、脳に何かが流れてるね、ありゃ。
リフォームの現場に漆喰塗りの様子を見に行ってきた。
様子だけ見たら10分でトンボ返りをしようと思っていたのだが、
ついつい自分でも塗ってみたくなって、
塗り始めたら止まらなくなって・・・ドツボ。
マックシェイクほどのドロドロしたクリーム状のネタを、
コテで桧の下地材にこすりつけていく。
右へ左へとコテで練るように、少しまた少し木の地肌の面が漆喰で覆われていく。
ただそれの繰り返しなのだけど、あまりの自分のヘタさと作業の遅さ、要領の悪さが腹立たしい。
腹立たしいいから、続ける。
続けているうちに、
「ネタがぼたぼた床へ垂れないようにするには、コテは横向きに持つ」とか、
「ネタは最初多めに練り付けて、ザッと均してから余計な分をこそぎ取ると作業が早い」とか、
気が付くことがある。
誰から教わるわけでもなく、少しずつ自分で気が付いて身に付けていく、
短期間に自分が成長していく、その感じは日常の中ではなかなか味わえないもので、ひじょうに楽しい。
目の前にあるドロドロを壁に塗る、たったそれだけのことに結構夢中になれるものである。
脳が心地よいトランス状態を味わっていいるうちに、気が付けば陽も暮れていた。
しまった・・・タダでさえ忙しいってのに。
帰って今日も徹夜で図面描きか・・・。
この一週間でいったい何時間寝ただろう?

2005.05.29 (sun)
「ねぇ、ネコ飼わない?」って、武蔵境の友人から電話が掛かってきた。
聞けば生後10日程度の産まれたての子猫が2匹。
勝手に付けたナマエは『jazz』と『blues』、
2匹ともオトコのコ。灰色と黒で、たぶん兄弟。
飼うとなれば、最後までキチンと責任を持たねばならない。
僕は今まで動物を飼ったことがなくイマイチ自信がないので辞退したが、
うーん。それにしてもカワイイ♪。
その友人の方も、「独身男の一人暮らしが飼ってたらネコの方がかわいそうだ」という理由で、
里親になってくれる人を探している。
まだ産まれたばっかりの子ネコ。
人の手のひらに収まってしまうほど小さい。
頭はゴルフボールくらい。
そりゃぁ、タマランわな。
「マジで、そぉーとぉーカワイイ。」とは友人の弁。
情が移ってあげたくなくなってしまう前に、いい里親を見つけてあげたいのだと言う。
そこで、「飼いたい!」ってかた、いらっしゃいましたら須永までご連絡ください。
折り返し連絡させていただきます。
基本的に早い者勝ちですが、
贅沢を言えば、2匹とも一緒に引き取ってくれたら、最高です。
それが無理だとしても、まだ産まれたばっかりのカワイイ盛り、
上の写真をクリックすると、他の写真もご覧いただけます。
ねぇ、タマランでしょ。
一日でも早くいいかたにもらわれますように。

2005.05.28 (sat)
牛丼屋には行かないように心がけている。
安いし、待たずに済むし、それなりに食える味だし、夜遅くまでやってるし、
ついつい便利に利用してきた牛丼屋だが、
半年ほど前から、ひとりでは行かないぞと決めている。
理由は「発見がないから」。
同じ理由でファミレスも行かない。
しかもファミレスは無駄に高い。
チェーン店で食事をしなくなったことで、ラーメン屋に行く回数がグッと増えた。
吉祥寺は有数のラーメン激戦区だし、
また、どこの街に行ってもそれぞれ個性的な店がある。
気に入った店で全メニューを制覇するのも楽しい。
いろいろと選択の余地と発見が多い。
それともうひとつ、
建築家とラーメン屋、実はとってもよく似た仕事なのだ。
(ラーメン屋やったことないけど・・・でもきっとそう。)

2005.05.27 (fri)
テントを買った。
大人5人が寝れて天井高2mのゆったりサイズ。
そもそもの動機は、首都圏大地震が来たとして自宅から避難しようにも、
ここいらは人口も多いので体育館も公民館もすぐに満員になってしまうだろう。
新潟の被災生活を見ていても、プライバシーのない雑魚寝生活はストレスがたまりそうなので、
キャンプセットを一式持っておけば、災害にも対応が利きそうだという判断。
で、手始めにテントを買った。
動機は防災グッズとしてだが、夏になったらキャンプに行くのも楽しかろう。
アウトドアな遊びには縁遠かったサバイバルデザインであるが、
コドモが大きくなる前に、せめて火の起こしかたくらいマスターしておきたいと思う
付け焼き刃なお父さんである。

2005.05.26 (thu)
やっぱり、プロに従っておくべきなのだな。
ma-GUで作ってもらっているテーブル、鉄筋でできた脚に木のキャップを履かせるので、
どんなキャップにしようか、昨日そのうち合わせに行ってきた。
ma-GUの人は「スナガさん、どれがいいですかね?」と数種類のキャップを並べて
見せてくれるのだけど、その立ち振る舞いと、それぞれのキャップに対するコメントから、
『丸くて細長いキャップ』を推薦したいようであることが伝わってくる。
僕はもともと『四角くて角だけはツルリと丸くなったキャップ』が似合うのではないかと、
イメージを持っていたので、内心(うーん、こまったぞう)と思っていたのだが、
出来上あがりつつあるテーブルにひとつひとつのキャップを当ててみると、うーむ・・・。
何度も何度も当て直してみるのだが、うー・・・。
やっぱり『丸くて細長いキャップ』を履かせてみたときの方が、グッと魅力的なテーブルになるのだ。
もうひとつ、「本棚につける引戸の引手のデザインもどうしましょうか?」と言われていた。
僕は、極力シンプルで主張のない本棚にしたかったので、
引手は付けずに戸に穴をあけてそこに手をかけるだけの、単純なやり方にしたいと伝えてあったのだが、
ma-GUのかたは「こんなのも・・・あるんですけどね」と、
細い鉄の棒を曲げてつくった引手を持ってきた。
あまり気乗りがしなかったので、その鉄の方はよく見もせずに「さてどんな穴にしようかな」と、
そのカタチと位置を色々考えてみたのだが、いまいちハマるデザインにたどり着けない。
ふと気まぐれに、さっき見せてくれた鉄の引手を本棚に当ててみると
「ぅおっ!、・・・・・・。」
唸ってしまった。
グググッと魅力的な本棚になってしまったのだ。
まいったなぁ・・・。
ファッションなんかでも
同じコーディネイトでも指輪ひとつ着けただけでガラッと雰囲気が変わってしまったり、
ユニクロのシャツでもボタンを取り替えただけで、コムサに見えてしまったりするのと同じように、
家具でも本棚の引手を金具にしただけで、ただの『シンプルな本棚』が、
『シンプルなんだけど、なんだか妙にカッコいい本棚』に変身してしまう。
このあたり、絶妙なバランス感覚というのが、やっぱ備え持ってるセンスなんだろうな。
・この人を信じる。
・この人を信じた自分をもう一回信じる。
・信じて、預けてみる。
デキルひとと一緒にやるオモシロさは、そこにあるんだろうなと実感しました。
もちろん製作は『丸くて細長いキャップ』『鉄の棒の引手』でお願いしてきましたよ。

2005.05.25 (wed)
築32年の家が、キレイサッパリ。
バラしてみると、
基礎のコンクリートに鉄筋は入っていないし、そもそも土中に埋め込まれてもいない。
足で蹴ってみたら、ポロッと崩れた。
元々細くて頼りないマッチ棒のような柱も、
壁を壊してみたらアリに食われて繊維しか残ってなかったらしい。
はぁーっ、人が住んでる間に大きな地震が来なくて良かったぁね。
昨今、テレビではリフォームブームなようで、
築年数のそうとうな家でも、お化粧だけし直して良かった良かったなんてやってるけど、
あれは無茶苦茶だよなぁ。
リフォームは新築に比べてコストは割高だし、
そもそも古い木造家屋で、残すに値する骨組みを持った家なんてほとんどない。
建築界には「スクラップ&ビルドはやめましょう」という流れもあるけれど、
経済成長期に作った、質の悪い建築が大量に残っているのもまた事実。
そういう建築はスクラップしてしまわないことには、建ってるだけで危険物。
当人たちには思い出の家で、こうして空地になってしまうと喪失感も大きいと思うけど、
今度の建つ家は以前とは比べ物にならない、ずーっと頑丈な家になりますから、
適宜にメンテナンスをしながら、孫の代、ひ孫の代まで使ってください。
来月から、朝の家がスタートします。

2005.05.24 (tue)




打合せの帰り、自転車で走ってたら畑に迷い込んだ。
以前糸井重里が、
「野生のままの大自然も、田舎の田園風景も『自然』という言葉でひとくくりにされてるけど、
田畑や植林など人工の自然の方は、『手自然』と呼んではどうか」とテレビで言っていた気がする。
確かに、「自然じゃない自然」だものね。
でも僕はこの不自然な自然、結構好きである。
段々に造成された水田の風景は美しいし、
サッカーグラウンドのストライプに刈り揃えられた芝も、なんかウレシイ。
ムジャムジャの野性味たっぷりの方は、団地育ちのモヤシっ子には少々近寄りがたい。
手なづけられたカワイさ、それくらいが丁度いい。
不覚に迷い込んだ畑で、一面等間隔にお行儀よく並んだ姿が、
体育着の小学一年生みたいで、たまらなくカワイらしかった。

2005.05.23 (mon)
そういや先週、ゴッホ展に行ってたっけ。
忙しさに紛れて、行ったことすら忘れそうになっていた。
ゴッホ展、良かったです。
あんなにいっぱいのホンモノをまとめて見られただけで満足。
数年前のゴッホ展では、横浜美術館まで足を運んだにも関わらず、
長蛇のオバチャンの列を見ただけでぐったりして、
入場せずに帰ってきてしまっただけに、今回その無念を晴らせた。
最近ではあと、そうそう応急救命法の講習にも行っていたな。
人工呼吸と心臓マッサージの練習。
付け焼き刃で全然マスターなんか出来やしないけど、
知らないよりはマシだろう。
最近、マッハで毎日が過ぎていく。
恐ろしいスピードで、日々の景色が後ろにすっ飛んでいく。
ひとつひとつに感想を述べている時間もなし。

2005.05.22 (sun)
ぅおっ!遠藤さんじゃん。
たまたま点けたテレビのビフォーアフター
匠がどうとか言っているのでチャンネルを変えようと思った瞬間、
聞き覚えのある声。
ビックリしたなぁ。
そうか、そういうことだったのか。
年末に電話した時に言っていたリフォームの仕事ってのはコレのことだったのね。
知り合いをテレビで見つけるのは、なんか不思議な気持。

2005.05.21 (sat)
ヘンな電話が時々かかってくる。
「ぜひ御社を取材をさせてください」と言うのだが、
よくよくきけば、「取材してあげるから、取材費として8万円よこせ」というもの。
調子のいい口調、イヤに高いテンション、ヨイショヨイショの太鼓持ちトーク、
最近はもうその手の営業には慣れっこになったので、話を皆まで聞かずとも電話を切る術を覚えた。
今回かけてきた会社は、まぁまぁ名の通った一般住宅雑誌の名前を出して、
そこで建築家の特集をするから、名刺サイズの枠であなたの事務所を宣伝してあげるから、
8万円(なんで毎度毎度8万円なんだろう?)出せ。と。
要は、雑誌の中の広告ページをその企画会社が買い取って、
そこをさも誌面っぽく作って、仕事がなさそうな複数の設計事務所から
8万円ずつ広告費を徴収して、載せさせてあげるってことみたい。
あぁ、そういえばそういうページ見たことあるなぁ。
あそこに出ている人たちって、お金払って載せてたのか・・・。
がんばれ同業者。サバデザもがんばってる。

2005.05.20 (fri)
リフォームの仕事、ちょっといいモノできちゃいそうよ♪
訳あって超急ぎだし、コスト掛けられないし、
もともとクライアントからの要望が、
ひとつひとつ具体的だったこともあり、
今回は自分を抑えて、まとめあげる役に徹しようかと思っていたのだが、
やっぱり、そうはいかないみたい。
工事が進むにつれて、クライアントからはさらに難題の要望が出てきた。
現実的に不可能な要望が多いので、「無理です・・・」と断わるしか無いのだが、
クライアントの気持もわかる。
要は気持よく暮らしたいのよね。
「ここの柱を無くして」と具体的に言われると、構造上取るわけにはいかないから
「ムリ・・・」と答えるしかない。
でも、多少なりともウザったくない位置にズラすことならできる。
また柱以外の要素を工夫調整することで、空間のイメージをまったく変えることもできる。
たとえば、鴨居の高さ長さ厚さ幅や色、障子の組子のパターンと色、壁の・・・床の・・・
たった一部屋でも様々な要素から成り立っている。
すでにそこにあるバラバラな壁や窓や柱を、新しい素材で補いながらバランスを見つけていく。
『一番いいバランス』に辿り着くための調整は気の遠くなる地味な作業だけれど、
やりようによっては、「ここに柱があることで、空間が生きてくる」という部屋に
デザインを組み立て直すこともできる。(ま、できないこともあるんだけど)
クライアントの具体的な要望をそのまま実現するのとは違っても、
『もっといい空間』が今回出来そうである。
どんな物件でも、こっちだって一軒一軒が真剣勝負。
さて、朝までに図面を描き直さなくちゃ。
現場は待ってくれない。

2005.05.19 (thu)
携帯電話を紛失。
待ち合わせに遅れそうだったので、
900円余分に払って佐倉から特急に乗って、
「あぁ、やっぱり乗り心地がいいなぁ・・・」
って眠ってしまって、東京駅で慌てて降りて、
気が付けば携帯電話がない。
仲間と家具の展示会にいく約束で、「じゃ吉祥寺の辺りについたら電話で・・・」
って話だったのだが、電話がないとどうにもならない。
ここ数年、手帳のアドレス帳もまったく書き加えていないので意味なし。
トモダチのトモダチの知り合いの・・・って、たどってようやく相手の携帯番号にたどり着くまで30分。
その他もろもろの紛失届などをしているうちにもう30分。
特急料金の甲斐もなく大幅遅刻。
ま、会えただけでも良かったけど。
そんなバタバタですが、見にいった谷進一郎という木工作家の展示会がとても良くて、
展示してある空間がまた良くて、マッタリ・・・。
その後、無くした携帯が東京駅で預かられていることが発覚。
嬉しいような空しいような、なんにせよ大急ぎで東京駅まで一往復。
27分の時間を短縮するために乗った特急しおさいをきっかけに、
ムダな汗とムダなお金とムダな時間を使うハメになった一日。

2005.05.18 (wed)
世の中には『正当な抗議』というのがあると思う。
しかし、それをするべきか場面によってとても迷う。
ルール違反をした相手に対して、自分が不利益を被らないないために抗議をするのは、
たぶん正当なことだとは思う。
そして、もうひとつの選択肢としてあるのが、
「『まぁいいか』と、流してしまう」こと。
この場合、不利益は被りっぱなしである。
であるのだが、
「その程度のことを不利益と思ってたら、ニンゲン大きくなれないぜ」というかたちで、
自分自身の成長にはなる。
抗議によって「ルール違反だよ」と教えてあげることは、相手の成長を促すことであり、
不当に奪われた自分の権利を取り戻す正当な行為ではあるのだが、
実際のところは、「事がややこしくなり何も産まず自分が消耗するだけ」という場面も多い。
そんなわけで、僕はなるべく『まぁいいか』の方でいきたいとは思っている。
とは思っているのだが、実際のところまだまだニンゲンが出来ていないので、
感情的には納得できないときも多いのだが、
「流すが勝ち」と思ってやっていこうということにしたので、
頼むぞカミさん、オレを上手にコントロールしてくれぃ。
と、さっき言っておいた。

2005.05.17 (tue)
人と人との関係には、血が通っている。
世のビジネスの関係に通っているのは、お金。
僕が自営業者として思っていることは、
人と人との血の通った関係の中に、一緒にお金も混ぜて通わせたいのだ。
どういうことかと言うと、
その仕事が、友人や知人自分の大切な人のためになら、絶対に手を抜いたりしない。
精一杯の仕事ができるし、きっとその仕事は楽しい。
極端な言いかたかもしれないけど、
一生の間に、友人や知人、身内の住まいや店舗を設計するだけで、
僕の設計屋としての人生が終われたなら、それは幸せなことだろうなと思っている。
し、それを実現しようと、けっこう真面目に考えている。
もちろん、その相手は今すでに知り合いの人だけでなくていい。
今までたくさんの素敵な愛すべき仲間と出会ってきたように、
これから先も生きているかぎり、オモシロいヤツと出会ったり、
応援したい人と知り合ったりして、自分の大切な仲間となっていくであろう。
お客さんとしてサバイバルデザインを訪ねてきてくれた人が、
かけがえの無い知人となることも、きっとたくさんあるだろう。
人と人との関係には、親切にしたりされたりの血が通いあう。
そのプライベートな関係の中で、
お互いの得意技である『仕事』を、提供したり、してもらったり、
そういうことも混ぜてしまいたいと、僕は思っているのだ。
駆け引きと牽制、疑いがベースとのなかで行われるようなビジネスは僕は苦手だから、
甘っちょろいかもしれないが、無防備に腹を割って信頼できる相手と仕事『も』したい。
『対価』というビジネスのお金ではなく、
『謝意』という「ありがとう」なお金を使いたい。もらいたい。

2005.05.16 (mon)
老朽化した家の建て替えにあたり、古家の解体が始まった。
昨日その建て主さんから電話があった。
「明日から解体ですよね。家のカギを渡さなきゃと思って電話したんですけど。
だって、玄関のカギがなくちゃ中に入れないでしょう。」
実はそんな心配、僕の頭には全く無かった。
だって、家を全部壊して更地にしてしまうのだから、
まずは玄関のカギから壊せば済んでしまう。
と、その時ハッとした。
仮住まいへの引っ越しが終わっても、その古家はまだ『お宅』なのだ。
いきなり玄関のカギからブッ壊すような乱暴はしてはならないのだった。
時々、こうしてお客さんの目線で物事を見れていないことに気が付く瞬間がある。
気が付かない人よりはマシかもしれないが、もっと気をつけよう、と自分に言い聞かせた。

2005.05.15 (sun)
昼メシを食いながら、ビデオに録っておいたプロジェクトXを見てた。
ヤンキー高校に全国優勝のコーラス部を立ち上げた先生のはなし。
スクールウォーズのコーラス版だね。
毎日河原で懸命に練習する生徒の姿を目にして、
夜逃げを留まった町工場のおじさん。
いまでは、定期演奏会には欠かさず駆けつけるという。
そして定期演奏会で必ず歌われるのが、中島みゆきの『ファイト』
百面相の顔で合唱するコーラス部、客席からジッと見つめる町工場のおじさん。
「戦うきみぃの歌おぉ、戦わないヤツらが笑うだろう、ファイト・・・」
もう、ダメ・・・
恐るべし命を震わす歌、中島みゆき。
ドバーっと涙が溢れ出てきた。
テレビの前でアグラかいて、カップ焼そばをもぞもぞとかき込みながら、泣いてるワタシってのは、
客観的に見たら、どんなに汚らしいオヤジだろうか。
普段テレビで泣くようなことはまずないのだが、今回のプロジェクトXはいやぁ泣けたなぁ。
と思ってカミさんに「見てみ」と薦めてみたら。
「見たよ。あんなもんじゃない?まぁいつもどおりの話だよ」って、
ぇえ?そうか?
そうなのかなぁ・・・
疲れてんのかなぁ、ワタシ。

2005.05.14 (sat)
リフォームの物件、「2週間で終わりません?」という依頼だったので、
「壁は既存の石膏ボードを残して、その上に漆喰を塗りましょう」と提案していたのだけど、
なんだか自分の中のモヤモヤが晴れないので、
「やっぱり、壁をはがして多少の補強をしませんか?」と、再度提案してみた。
工期は多少伸びる事になったが、はがしてみて大正解。
新築時の図面を見るかぎりでは、在来工法ということだったのが、
石膏ボードをはがしてみたら、実はツーバイフォーで出来ていたのが発覚。
しかもけっこういい加減な、シロウトみたいなシゴト。
バブル期の建て売りなんて、ホントいい加減だなぁ。
(しかも誰もが知ってる大手の○○工務店の建て売りですよ!)
現状が50点とするなら、今回の工事では教科書通り100点満点の耐震補強はできなくとも、
(予算と工期のことがありますから)
80点の合格点くらいにまでにはできる。
大地震が起こっても、少なくとも命だけは守れるようになる。
モヤモヤしていたものが、スッキリした。

2005.05.13 (fri)
かもめbooksで『ちびくろさんぼ』入手。
その後吉祥寺でワタシ好みの文房具のお店発見!(36Sublo
輸入モノもあるし、年代モノも置いてある。
ま、そういう店はよくある。
そしてだいたい値段もヘンに高いので、無視することが多い。
が、こちらのお店はちょっと違った。
輸入モノと年代モノと同等に、今でも普通に生産され流通している『LION』とかの文房具もあるのだ。
しっかし、そのセレクトが素晴らしい。
「うわぁカワイイ!」ってつい言ってしまうものが多数。
異常に小さいクリップとか。
「へー、こんなモノも作ってんだぁ」ってかんじ。
世に普通に出回っているモノの集め方、組み合わせ方で、
イメージは、素敵にもなれば野暮にもなる。
これは建築も同じね。
このところ毎日、寝る間も無いほど忙しいのだが、
フッとこんな店に迷い込むと、素晴らしくハッピーになれる。
そうそう、懸案の穴開けパンチもこちらで納得いくものを入手できました。

2005.05.12 (thu)
朝の家でも家具をお願いしようとしていた、家具工房ma-GUさん。
別件のリフォームの方でもお願いすることにした。
お互いにアイデアを出し合って、何度もスケッチをやり取りを重ねる。
デザインはどんどん膨らんでいき、モノが次第に現実的なものになっていく。
さてさて、実物がどんな感じで出来上がるのか、すごく楽しみ。

2005.05.11 (wed)
高価ではなくても永く使うことになっちゃうモノってのがある。
たとえば穴開けパンチ。
必要だし、いくらでもないしってんでホイッと何の気なしに買ったヤツが、
なかなか壊れもしないものだから、意図せず一生モノになってしまうことがある。
そんなんで、モノは、値段の問題とは切り離してこだわった方が良い場面というのが
あったりする。
さて、問題の穴開けパンチ、
数ヶ月前のこと、必要にかられてショップやネットで探してみたが、
そんな時に限って、「コレハ!」というものに出会えない。
仕方がないので100円ショップのヤツでその場をしのいで、
これがまた壊れてくれない・・・
・・・かと思いきや、QQショップのは2週間ですぐ壊れてくれちゃった。
これはこれで問題。
それでも瀕死の100円パンチをだましだましココまで使ってきたが、
ついに限界!『ブッ』がつくほどに壊れてしまった。
今日からは、ただの燃えないゴミです。
あー、また探さなきゃ。めんどくさいなぁ・・・
だれか、素敵な穴開けパンチをご存知の方いらっしゃいましたら教えてくださいな。

2005.05.10 (tue)
アイデアは風呂場でうまれることが多い。
特に、目を閉じ頭を洗っている時。
「お、いいぞぅ」と思って風呂からあがり、
頭をふきながらニュースを見て、メールチェックして、歯を磨いて、
・・・おやすみなさい。
あら?いいアイデアを思いついたことすら忘れてる。
今まで、シャンプーの泡といっしょに洗い流されてしまったアイデアが、
いったいどれほどあったことだろう?
風呂場の次にアイデアがうまれる場はトイレである。
そしてまたココでも、アイデアはブツと一緒に流されてしまったりする。
いつも首からメモ帳をブラ下げとこうかしら。
さて、今日の風呂上がり、
「オレ今いいアイデア思いついちゃったからさ、そのことだけでも覚えておいて!」
とカミさんに宣言。
こうしておけば大丈夫。
僕は思い付き、カミさんが記憶する。
半人前でもバランスはとれている。

2005.05.09 (mon)
こんなにまでしなくてもいいのに・・・。
団地の中にはこういう柵で囲われた立ち入り禁止の場所が時々ある。
そういや自分が子供の頃は、こういうのを乗り越えて遊ぶのは普通のことだった。
今思うとゾッとする。
またいだ時に脚を滑らせて、アレがオシリに刺さっちゃったら・・・うわぁあ
こういう危ない遊びを、ウチのコドモもやるのかなぁ・・・おとうさんは心配だなぁ。
どんなに危険なところでも、コドモは遊ぶ。絶対に遊ぶ。
そりゃ誰にだって身に覚えがあるでしょう。
この柵を見れば、設置した側の「侵入して欲しくない」という意思はビンビン伝わってくる。
僕だってもうオトナだから、こんな一歩ドジれば大けがしちゃうようなところには登らない。
必要があればめんどくさくても管理人さんを探して電話して、
数日待って柵のカギを開けてもらうだろう。
けど、
「絶対に入れないような作りにした」という一方的なオトナの理屈は、
思い込みという責任逃れだろう。
「コドモは遊ぶ」という前提から発想がスタートていたなら、
解決策は違うカタチに落ち着くだろう。
予測する力、想像力がザックリ抜け落ちている。
「変電施設があるので『危険』ですから、ここには絶対に立ち入らないでください。」という理由で、
もっと身近に、リアルにムキ出しの危険を設置してしまう神経、マッタクワカリマセン。

2005.05.08 (sun)
忙しい時に限って、もひとつ仕事が入ってきたりして大変なことになったりする。
でも、お仕事をやらせていただけるのは、とてもありがたいこと。
依頼してくれた人には、応えたい。
そしてまた急な工事にも、都合を付けて動いてくださる職方さんがいるってこともありがたい。
個人事業者の仕事は、無けりゃ無いで忙しいし、
ある時はある時で、恐ろしく忙しくなる。
「どう、最近。ヒマ?」という挨拶がわりの軽い問いかけにも、
「うっ・・・」と返答はいつも詰まる。

2005.05.07 (sat)
<過剰工事>3年間で数千万円分、認知症の老姉妹食い物に
コメントしようがないな・・・。
建築業界は悪い人多いですけど、それにしてもココまでとは。
でも、程度の差こそアレこんな業者は当たり前のようにウヨウヨいますから、
みなさん気をつけてくださいね。
防衛策は、「飛び込み営業の業者にだけは、工事を頼まない」ということです。
現在、サバイバルデザインでもリフォーム物件が進行中。
打合せをしていて思うけど、リフォームのお客さんってホントに特にか弱い立場なんだなぁ。
建物の構造的なことなんて全くわからないワケだし、
業者に「お金は掛かりますけど、やらないとマズいですよ」なんて言われたら従うしかないものね。
今回リフォーム打合せの最中僕は「そこにはお金を掛けるのやめましょう」って言葉を何度も口にした。
お金を掛けるだけの価値のあるところと無いところ、それをハッキリ分けて考えないといけない。
だって、古い家なんて悪いところだらけなんだもの。
お金って大事よね。

2005.05.06 (fri)
いつの間にか『すーさん』というあだ名がついていた。
もう10年以上の付き合いになる友人が、
今月になって突然、僕のことをそう呼び始めた。
お互い三十路を目前に、妙なキモチである。
ま、それは置いておいたとしても、あだ名で呼び合うというのは、なかなか良い。
『私はあなたに親しみを持っていますよ』という気持が含まれている。
下の名前(苗字でなく)で呼ぶのも、同じような意味を持っている。
ところで、あだ名に、似て非なるものがインターネットのハンドルネーム。
アレにはいまだにどうも馴染めない。
あだ名は本人の意思とは関係なく、相手がつけるものだけれど、
ハンドルネームは自分で名乗っている名前なので、
「こう呼んでもらいたい」という本人の意図を感じてしまい、
時にサブイボ感がある。
例え、『山田愛』という女性が『愛です。』と自分の名をハンドルネームとしただけでも、
「おいおい、愛だってよ。ロマンチストのつもりかい」と、うがった見方をしてしまったりする。
普通に『キヨシ』だったとしても、「自分のナマエが好きなナルシスト」な感じを受けてしまうことがある。
人のハンドルネームを見ていて、ついそう感じてしまうものだから、
僕はいまだに自分のハンドルネームを持てないでいる。
インターネットやメールの、和気アイアイとしたと感じと同時に、
そのベタベタした馴れ合いやナルシズムのウスラ寒さを、
同時に感じている人も多いのではないだろうか。
『すーさん』、それにしてもスカシっ屁のようなあだ名である。

2005.05.05 (thu)
友人がこんな話をしていた。
「あそこの歯医者さんでオヤシラズ抜いてもらったら、すっっごく痛かった。
歯の根がアゴの骨に巻き付いるとかで、3時間もグイグイやられて。
しかも口を広げるためにあんまり思いっきり引っ張るものだから、口の端が裂けてしまって。
アゴが開けなくなり、一週間食事はゼリーしか食べられなくて、ほんとエライ目に遭ったよ。
若い先生だったのだけれど、腕は良いのかもしれなくても、患者へのケアってもんが全然なくて・・・」
そんな事を言っていた。
僕は「なるほどねぇ。若いとついモノと格闘することに夢中になってしまうからね。」
なんて相づちを打ちながら、
(あっ、それ自分だ)と、心の中では思っていた。

2005.05.04 (wed)
よくイラストなんかで『サングラスを掛けたモグラ』ってのがいるが、
どうしても荒木経惟に見えてしまう。
よく『ヤギのお医者さん』ってのがいるが、
どうしても昭和天皇に見えてしまう。

2005.05.03 (tue)
先日から始まった建て売り住宅の設計、2棟を違うプランで考えていて、
まだ設計もでき上がる前なのだけど、そのうち1棟は買うお客さんがもう決まった。
せっかくのなので建て主さんの要望も取り入れるかたちで、
多少の設計変更をすることになった。
案を何タイプも何タイプも検討していて・・・どうもしっくり来ない。
うーん、もうココまで来たらゼロから考え直してみるかなぁ・・・と思いながら、
ふと、「たとえば・・・プランは原案のままで、寝室と書斎を入れ替えてみたら(要は部屋名を変えただけ)
・・・あ!、キタ!」
灯台下暗し。
こういう時はちょっと困ってしまう。
このまま建て主さんに見せたら、なんか手を抜いてるみたいに思われちゃわないかなって、
余計な心配をしてしまったりする。
という訳で今日の打合せでは、『こんだけたくさんの案を考えましたが』っていうボツ案もみんな
建て主さんに見てもらった。
気が小さいので、外堀から埋めてく性格のスナガです。

2005.05.02 (mon)
ゴールデンウィークは気分を変えて、みんなでウチの実家にお泊まり。
(でも仕事は休みではないので、僕は毎日三鷹の事務所まで通っているのですが)
ウチの実家は、僕が22歳の時に初めて設計した住宅。処女作ということになる。
そういえば、自分で設計した家でちゃんと寝起きしてみるのは今回が初めてだ。
よく言われることに、「その建築を味わうには、その空間で目を覚ましてみるといい」
というのがある。
朝、徐々に天井が陽に照らしだされていくのを、まだ寝ぼけた頭でボーッと眺めていた。
「あー、きれいだなぁ・・・」
ここで寝起きしてみて気が付いたのは、茅葺き屋根の農家にいるような感じがする。
この家で使っている素材は近代の工業製品なのに何故だろう。
天井が高いわけでもなく、薄暗いわけでもなく、すすけているわけでもなく、野太い梁があるわけでもなく、
古い農家とは全く違う建築なのに。不思議だなぁ。
告白してしまうと、学校を卒業してすぐ実務なんか全くわからずに設計した家だけあって、
悪いところもウンとたくさんある。(その反省が現在に生きているわけだけど)
今ならもっと良い家を設計することが出来る自信があるけれど、
でも、もしもう一度この家を設計するチャンスがあったとしても、
プランだけは絶対に変えないな。
なんというか、『いいガランドウ具合』なのだ。

2005.05.01 (sun)
忘れないうちに、ウチのコドモの近況報告。
この1ヶ月間のあいだで、コドモが急激に進化しました。ひとりで立てるようになったのをきっかけに、2・3日後にはひとりで歩けるようにもなり、
テレビの子供番組に合わせて踊ることも覚え、
目に入るものをなんでもかんでも指差して「こえあ?」(これは?の意)と訊いてくるし、
「マンマ」(ごはん)、「ワンワン」(毛モノの動物ならなんでも)、「パパ」、
「ッチ」(立っち)、「ビ」(テレビ)、「オカ」(おかあさん)、
「かぁい」(怖い)、「わぁな」(お花)、なんて単語も言えるようになってきたし、
なんやらよく分らない宇宙語で一日中ひとりでしゃべってる。
そして今日、スーパーに買い物に行ったら、ピョコピョコとペンギンみたいに歩きながら、
お菓子の棚からミッキーマウスの顔のチョコレートを取って、僕の持ってたカゴに「ポイ」って放り込む。
棚→カゴ→家、というシステムがわかっちゃったみたい。
親バカおとうさんは嬉しくって嬉しくって買ってあげちゃいましたが、
きっとこれからが大変だぞぅ。
カゴ→家のあいだにある『レジ』という関所のことをよぉーく教えなくては。
そんな、驚くべき成長を見せた1ヶ月間でした。
『二足歩行は進化のカギ』なるほど、納得だ。

さて、4月のDailyはこちらか、
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