Daily・・・日々雑感

2004.09.30 (thu)
建て主さん家族に、それぞれに書いていただく、
サバイバルデザイン、オリジナルの個別調書というのがある。
身長は?、好きな音楽は?、好きな時間は?、
あなたにとってhomeとは?、houseとは?
20年後に家族はどうしてると思う?、などなど・・・。
それは、各人の人柄を知るためのアンケート。
いつもは、出会って一番最初に書いてもらうのだけど、
今回は、実施設計が終わろうとしている今、やっと受け取った。
「ズーっとカバンに入れっ放しで、郵送するの忘れてました」という建て主さんと、 べつに「早く送ってださいね」という催促もしない設計者。
お互いのルーズさ加減が、感覚的に近いみたいで、それもまた悪くない。
紙に書かれた、それぞれの筆跡やコメントは、
打合せでお会いしている時の印象と、同じ部分もあるし、意外な面もある。
家族全員、勢揃いの打合せでは、各人に家族の中での立場や(自然に定着した)役割の姿だったりする。
その、だったりする、を、だったのか、とはじめて感じるのが、個別調書を読んでみたとき。
個人としてのその人に、はじめて触れられた感じがする。
自分の中にあるなにかを伝えようと、筆跡に込められた一生懸命な思い。
建築はそれらに、丸ごと応えられるようなものではないけれど、
所々、かすったり、ヒットしたりできるように、創りたいなと思う。
それらは『要望』とは違うからこそ、なぜか応えたくなる。
要望は時に度が過ぎて、うんざりさせられることもあるのだけど、
こういう『告白』みたいな心のひだは、大切にあつかいたい。

2004.09.29 (wed)
こどもって、何にでも興味をもつのね。
目に入るものが、みんな目新しく、
なに?それ?みせて、触らして、なめさせて、投げさせて、
あ!そっちのは?なに?それも貸して!
右へ左へ、右へ左へ、ひとときもジッとなんかしていない。
それは、どのうちの子も、そう。
子供はみんな、好奇心が旺盛。
おとなは?
おとなも、みんな好奇心が旺盛かな?
子供と同じように、何にでも首を突っ込みたがるオトナ、いる。
好きな事と、そうでない事で、興味の度合いが変わるオトナがいる。
何事にも無関心そうなオトナもいる。
何が違っちゃったんだろう?
始めはみんな、同じだったのに。

2004.09.28 (tue)
ビデオデッキが、ついに往生した。
享年12歳。老衰と言っても良いだろう。
買ったばかりの新品の頃から、スイッチのON/OFFに関係なく、
電源のランプだけが、勝手に付いたり切れたり、
吹き替え音声で見ていた洋画が、突然ひとりでに、ネイティヴ英語の副音声に切り替わって、
また吹き替えに戻ったり、
そんな、気まぐれな機械だった。
途中一度だけ修理をしてもらったことがあるが、
気まぐれは治らないまま、それでも使用に支障もなく、元気に過ごしてきた。
ここ2年くらいだろうか、
晩年はテープの取り出しのベルト部分を患い、
イジェクトボタンを押すと、「ゥウウ」と唸り声をあげながら、
頑張っては見せるものの、
「ウゥゥ・・・」と、力なく、「やっぱりダメだぁ」と力尽きて、
そのまま勝手にパチンと電源を落として眠りに入ってしまう。
5回から10回それを繰り返すと、ようやく「ゥウウ・・・ゥウウ!」
頑張ってテープを吐き出してくれる。
その様子を、僕らは、「よぉし、がんばれ、いいぞぉがんばれ」と手に汗握りながら
息を詰めて見守るのである。
しかし、病状の進行はどうしても止められなかった。
やがて、10回やろうが20回やろうが吐き出してくれなくなり、
仕方がないので、取り出し口から指を入れ、介助してやる必要が出てきた。
「ゥウウ」と唸ったところでタイミング良く、中のテープ持ち上げて、
手助けしてあげないといけなくなった。
数ヶ月はそれで延命をはかっていたのだが、
ついに、終わりがやってきた。
唸り声は弱く、介助をしてもテープを押し出す力がない。
そのまま電源だけがパチンと切れる。
コンセントは入っているので、待機電源だけは点いているが、
もう眠りから覚めることはなく、そのまま2ヶ月が過ぎた。
その間にも、ときどき思い出しては、スイッチを入れてみるのだが、
力なく唸ってみせるだけだった。
やはり、もうあきらめよう。
命あるもの、いつかは別れの日がやってくる。
今日、生命維持装置のコンセントを外した。
待機電力は切れ、彼は長い長い眠りについた。
ありがとう、ビデオデッキくん。
12年間、気まぐれで、手の掛かるヤツだったけど、
キミみたいに、命あるものとして、愛された電化製品はいなかったよ。
ゆっくり休んでおくれ。

2004.09.27 (mon)
「もう見ない」と宣言したテレビですが、
最近見てます。はい。
秋の番組切り替わりの時期のようで、
おもしろそうなスペシャル番組が、目白押しで。
『911の真相』『ポンペイの遺跡』『ダイアナ暗殺』・・・
でも、久しぶりに見たテレビで驚いたのは、
「コマーシャルがみんな、はじめて見るものに変わってる・・・」
ちょっとした、浦島太郎気分よ。

2004.09.26 (sun)
NHKスペシャル データマップ 63億人の地図
第7回 出生率 〜女と男・支えあう未来へ〜
を見た。
先進国、特に都市部で出生率が低下しているのは、良く言われていることだけど、
でも、一部の国では、(デンマークだったかな)出生率が国の政策の効果で、
グイグイ上がってるんだって。
高福祉・高負担の国で、稼ぎの60%が税金で持ってかれるってのに、
満足度の調査では、群を抜いてそれが高い。
テレビ見ながら、カミさんと顔を見合わせて、「・・・デンマークに引っ越そうか」と。
日本で出生率が下がりっ放しなのは、
「1組のカップルが産む子供の数が減っている」のと、それ以前に「結婚しない人がたくさんいる」ってこと。
・・・。
うぅ、なんだかなぁ。
あのね、ウチはまだ1人だけど子供がいて、結婚もしているんだな。
なにが言いたいかって、いうと、
結婚は、した方がいいよ。コドモもつくった方がいいよ。
既婚者は、なんだか落ち着いちゃって、活き活きとした魅力が感じられないかも知れないけど、
子持ちは、振り回されるばっかりで、自分らしい人生が送れていないように見えるかも知れないけど、
ぜーんぜん、違うよ。
本当は充実しまくっていて、もう一人には戻れないなぁ、戻りたくないなぁ、って思うもの。
もし、今カミさんとコドモがどこかに消えてしまって、
仕事と趣味を存分にやれる環境が残ったとしても、
そんな味気ない人生はご免だな。たぶん、自分でこの世とさよならするよ。
それくらい、パートナーとコドモの存在は、一度味わってしまった人には、この上ない充実。
僕が結婚してはじめてわかったのが、
これから先、死ぬまで二人で『同じ人生』を歩く、お互いに逃れようのない存在、
パートナーがいることの、なんと心強いこと。
(それは、籍を入れずに一緒に暮らしていただけの頃には、まだその感覚は分らなかった。)
そして、コドモが産まれて、
『大いなる自然』と『その一部でしかない、小さな自分』を感じ、
同時に、『計り知れない大きな循環の一員、になれたことの誇り』を持った。
出生率という数字を上げるのは政府の仕事かも知れないけど、
結婚やコドモの素晴らしさを、若者に伝えるのは、
ふつーのおじさんおばさんとなった、僕らの役割だと思う。
結婚しない自由だとか、子供を持たない選択だなんて、
週刊誌の文句を信じて気取ったって、そんなのぜんぜんカッコ良くないよ。
チャンスがあるなら、結婚はした方がいいよ。すごく幸せだから。
子供ができる体なら、子供を作った方がいいよ。そりゃぁもう、この上ない幸せなんだから。
文章なんかでは表現できないくらい、
浜辺を全力疾走して、転げ回りながら、ノドから血が出るほど、夕日に向かって叫びたいくらい、
オレは幸せなんだぁああああ!って感じなんだよ。毎日が。

2004.09.25 (sat)
ETV特集 スロー建築のススメ 〜藤森照信流 家の作り方〜という番組を見た。
藤森さん、やっぱいいわぁ。
あの人の建築はうれしい。
見ているだけで、心がウキウキしてくる。
一流建築家の作るものって、個性も強いので、
見る人にとって、好き嫌いがはっきりと分かれるものだけど、
僕はいままで、藤森建築を悪くいう人を知らない。
壁にタンポポ植えたり、屋根にはニラや、バカ殿様そっくりの一本松を植えたり、
メチャクチャにも見えるんだけど、違うんだよねぇ。
でまた、建築空間だけで勝負させても、これまたいい空間を創れちゃうんだからね。
『才能がすごくあって、嫌みがまったくない』そういう人、他に見た事ないなぁ。
多くの場合、人は毒を持ってるものだと思うけど、
あの人の場合、毒が消えて旨味に変わってるんだよなぁ。
カッコいい建築、かわいい建築、落ち着いた建築、抽象的な建築、懐かしい建築・・・
建築のジャンル分け、いろいろできるけど、
あの人のは、『うれしい建築』だね。そんな建築つくる人、他にいないなぁ。
この番組のおかげで、今日、ホント幸せな気持ちにさせてもらいました。
ところで、「藤森照信って、だれ?」というかたは、ぜひ
この本を読んでみてください。
誰が読んでも楽しめる、建築関係で僕の一番オススメの本です。

2004.09.24 (fri)
きのうシゲオロールオーバーを観たのは、
実は、6年ぶりにcinnamon(シナモン)を見るためであった。
cinnamonは、『LedZeppelin究極の完全コピーバンド』と言われている名古屋のバンドで、
本人たちと全く同じ、年代ものの楽器を使い、(ギター1本で数百万円しますよ)
「今聴いてもらった曲は、77年6月21日の公演の再現で、
途中、ギターの音が一旦途切れましたが、
この日のジミーは踊りながらギターを弾いていて、
自分で踏んずけてギターのケーブルが抜けてしまうんですね。
それを再現してみました・・・」
そういうことをやっている人たち。
かつてはアメリカツアーまでやってのけた。
ミストーンや、ブレイクが微妙にズレるところまで、●年●月●日のバージョンって、
完全にコピーして、再現してみせる。
だからもう、音は完璧に、そっくり。
目をつぶって聴いたら、完全にホンモノ。
ヴォーカルの人も、今の人になってからは(2代目なのかな?)、声の質がとても良く似ていて、
『99%LedZeppelin』なんていう肩書きも、けっして大げさではなかった。
そんなcinnamonは、6年前にドラムの人が抜けてしまい、それ以降は大々的な活動を休止し、
新たなドラマーを迎えて、『リハビリcinnamon』というかたちで、
名古屋だけで地味に、活動していたのです。
それが今回、シゲオロールオーバーの、ゲストという形で、
待ちに待った、6年ぶりの東京公演が実現したのです。
いやぁ、すごかったよぉ、久しぶりに聴いた、音の塊・・・。
今まで100本以上のライブを観ているけど、あんな爆音を出せるのは、
やっぱりcinnamon以外に、観たことがない・・・。
あのあまりにデカイ音、サウンドの渦は、
耳から指突っ込まれて、脳みそかき回されているような感じ。
(それがイイか悪いかは、好みの分かれるところですが・・・)
ただ、久しぶりに観たcinnamonは、ドラムの人がメンバーチェンジしてしまったおかげか、
なんというか、バンドとしての『ノリ』が微妙にかみ合っていないと言うか、
テンションが上がりきらないと言うか、多少残念なところもあったけどね。
(まぁ、今の人もうまいんだけどさ)
でもまぁ、あのサウンドが、ライブで聴けるってこと自体が、
奇跡みたいなもんだからね。
昨日のcinnamonはやっぱり(リハビリ)って付くだけあって、
確かに6年前と比べてしまったら、そりゃ落ちるんだけど、
それでも90%くらいのLedZeppelinではあった。
今後バンドがこなれてくるのを期待するか、前のドラムの人が戻ってきてくれるのを期待するか。
とにかく、また東京で、今度は単独ライブをやってほしいものです。
ホント、ロックが好きな人なら、あの音は一度聴いておいた方がいいですよ。
「本物のレスポールって、・・・あんなふうに鳴るものだったのね・・・」って、感じ。

2004.09.23 (thu)
前々から気になっていた、
シゲオロールオーバーという、ジミヘンの完全コピーバンドを観てきた。
左利きのジミ・ヘンドリクスを、右利きでコピーするために、
「左利き用のギターを、右で持つ」という、一見奇妙なスタイル。
数十年間、ジミヘンのコピーに徹してきた人だけあって、
いやぁ、実にうまい。
そのへんのプロより、数段弾ける。
プロ中のプロよりも、ジミヘンに関してはスゴイ。
きっと技術的には、本家ジミヘンよりもうまかったりするんだろうね。
ただちょっと残念なのは、「やり慣れてる感じ」があって、
緊張感に欠けるかなぁ、というところ。
ライブの持ってる、スリリングな部分が、
あまりにウマ過ぎるから、逆に安心して観れちゃって。
でもまぁ、そういう感想は、贅沢なのかもしれんなぁ。
ちなみに、シゲオロールオーバーは、日本人、中野重夫のバンド。
でもなぜか、肌が黒かった。

2004.09.22 (wed)
この3ヶ月間、まったく連絡がつかなくなっていた友人が、
夜、遊びに来た。
「ウワッ!ほんとにホコリ被ってんじゃん、スナガのギター。
なにやってのよ、オレが預かってやろうか。
弾いてやんなきゃかわいそうだよ。
まぁ、オレが預かったらピック傷でギタギタになるけどね。
しっかし、いい音するよねぇ、なんで弾かないのよアンタ!」
久しぶりに会った彼は、とりあえず元気そうだったので安心。

2004.09.21 (tue)
コーヒーのプロは、紙のフィルターを使わないのだと。
紙の匂いが微妙にコーヒーの味に移ってしまうのだそうだ。
だから純金のメッシュのフィルターを使うのだと。
まぁ、僕はそこまで味なんか分りゃしないシロウト。
純金なんか必要ないと、思ったけれど、
ペーパーフィルターの使い捨てを10年続けると、純金フィルターの元が取れる。
ズーッと使い続けられるなら、最初は高価でも、純金フィルターの方が、
結局は安上がりになるみたい。
さて、使いはじめて2週間、コーヒーの味は変わったか?
うーん、しょっちゅう豆を変えちゃうから、わからんなぁ。
でも、ペーパーフィルターより入れやすい。
紙のフィルターはお湯を注いでいてヨレたり、
時々グシャッとつぶれて、お湯が外に漏れてしまって、アワワ・・・と慌てたりするけど、
そういうストレスが無いのが嬉しい。
嬉しいと、なんとなく美味しくなったようにも感じる。
そんな程度でも、いいや。
結論は、『美味しくなった(いれる本人にとっては)』です!

2004.09.20 (mon)
世代間の意識の違いに、ときどき悩む。
例えば僕の両親以上の世代にとって、バナナはごちそう。
今では考えられないことだが、入院した時のお見舞いくらいでしか、
お目にかかれない高級品だったのだと。
でももう僕らの世代にとっては、バナナはバナナだ。
「バナナが食べたい」と思う時に食べればいいし、
「いまちょっとバナナの気分じゃ・・・」という時は、食べない。
が、ウチの親などは、「バナナを残すなんて勿体ない!」
おなかがいっぱいでも、無理してでも食べる。そういう世代。
逆に、アケビやイチジクは僕らにとっては珍しいもの。
親の世代にとっては、コドモの頃にそこら中になっていて、
よくもいで食べたのだそうだ。
麦飯やオカラの評価も分かれるところである。
先入観のない僕らの世代は、麦飯は麦飯、オカラはオカラ。
それなりに美味しいなぁと思って食べているし、
最近では、健康食品だとか色々言われているよね。
価格が安くて、しかも体に良い。
味は調理法ひとつでマズくも美味しくもなるだろうけど、
食材としては、素晴らしい素材。
でも、戦中戦後、食料に乏しい時代を知る人からは、
「こんな豊かな時代に、そんな家畜のエサみたいなものを・・・」と、
食べ物扱いすらされなかったりする。
そういう、世代の違いによるモノの評価のズレは、
建築においても、ときどき起こる。
そして、そのたびに悩む。

2004.09.19 (sun)
ピコレットの匂いがする。
窓を開けて、流れる風を気持ちいいなぁと、思っていると、
ベランダの側から決まって、ピコレットの匂いが、
それもかなり強烈に、流れ込んでくる。
もうこんなことが3ヶ月くらい続いているだろうか。
ニオイの原因が突き止められないのも、大いにもどかしい。
このニオイは非常にストレス。
エアコンをやめて、風を入れたい季節なのに、それができないでいる。
いったい何なのだろう?

2004.09.18 (sat)
あ”ぁ〜、ホッとしたぁぁぁ。
朝の家の打合せ、建て主さんに実施設計の模型を見てもらって、
まぁいろいろ意見も出たけど、おおむねOKで。
ホッ。


2004.09.17 (fri)
つい数日前、コドモが匍匐前進(ほふくぜんじんってこう書くのね)をはじめた。
足はまだうまく使えないので、ハイハイではないのだけど、腕だけでズリズリと、目標物に確実に向かう。
部屋と部屋の10cmほどの段差を、ズリ落ちてしまってメソメソ泣いていても、
翌日には足の方からバックで降りることを覚え、フッと気がつくと仕事している僕の後ろにいたりする。
今日気がつくと、膝を付き、お尻をグッと持ち上げるような動作をしている。
もうすぐに、膝と肘でちゃんとしたハイハイができるようになりそうな気配。
子供の成長はホント、早い。
ひとつひとつ習得していく様子を横で見ているのは、この上ない幸せ。
「コドモは、成長するほどに、どんどん可愛くなるよ」と知人から言われていたが、
ホント、その通りだ。
でもきっと、ハイハイができるようになると、少し思うのだ。
『ハイハイもできない赤ちゃん』ではなくなってしまったことが、なんだか残念に。
「できるようになる」は「できない」を失うこと。
ちっと前まで、寝返りもできなかったし、
最初は重力のある世界に出てきて、身をよじることすら難儀だったのに。
小さな命の危うさに感じていた、いとおしさは、
いつの間にか、意思を持った小さないっちょまえへの、愛らしさになってきた。

2004.09.16 (thu)
『今は地震が来ませんように。』
マンションに住んでいる人が、土地を買って家を建てる。
そういう物件を手がけている時には、設計中のうちに、大地震が来ちゃえば良いのに、と思う。
工事中には絶対に来てほしくないし、竣工後にも、あまり来てほしくない。
逆に、老朽化した住まいの建て替えの場合は、
設計期間中、「まだ来るなよ、まだ来るなよ、大地震さん、もうちょっと待っててね。」
と懇願するような気持ちで、いつも心のどこかで、ハラハラしながら過ごしている。
新しい家なら、かなり大きな地震にも耐えられるように作っているけど、
老朽化した家は、ちょっとマズイ。かなりマズイ。
設計が終わりました。いよいよ仮住まいですよぉ!引っ越しの準備をしてくださいね、
という時に、大地震が来て、老朽化した家がつぶれて、不幸なことが起こってしまったら・・・
あと一ヶ月早く設計が終わっていれば、あと1週間でも早く終わっていれば、こんなことには・・・
なんてことになったら、悔やんでも悔やみきれないだろうな。
関東地方の大地震は、近いうちに必ず来ると言われている。
言われ続けて数十年経つ。
いつか本当に、そういう日がやってきてしまうのだろうか?
信じられないし、信じたくないし・・・。
でも、神戸やなんかの地震の時にも、そういう思いをした建て主や設計者がいたんだろうな。
じゃぁ、だからと言って、そんなことにおびえて、練れてない設計で慌てて建てていては、
それもまた、おかしな話だしね。
もう、祈るしかないね。
世界中の神様に、祈っておこう。
今はまだ、大地震が起きませんように。

2004.09.15 (wed)
朝の家でも一部、和紙を使おうと考えている。
で、なんかおもしろい紙はないかなぁと、久しぶりに吉祥寺の大直へ。
和紙を使いたいのは、6帖の和室の壁と天井、ちょこっとだけ。
ウチなんかは、決して良い取引相手じゃないハズなのに、
いつも、商売とか金額とか関係なしに、モノ作りに付き合ってくれる。
いつかウチに、お金持ちのお客さんからの設計依頼がバンバン来るようになったら、
ご恩返しをさせていただきます。m(__)m

2004.09.14 (tue)
「壁の色は、黄色がいいですか?ピンクがいいですか?」
ウチの場合は、そういうことをしない。
この建物に自然に似合う色を、無限に近い色の中から、探してあげる。という感じ。
建物の形や窓の付きかたによっても違うし、
素材が木材と鉄板でも違うし、
縦張りと横張りでも違う。
方位との関係によっても違うし、
密集地なのか野中の一軒家でも違うし、
武蔵境と馬込でも違う。
色味は無限にあるし、それぞれ色の組み合わせも無限にある。
そんな条件の中から、色を探す。
建て主の趣味でも、設計者の好みでもなくて、
その建物には、いちばんふさわしい色が、きっとある。
色は『選ぶ』のではなくて、『探す』。

2004.09.13 (mon)
「この窓の付きかた、なんかバラバラだね。・・・もう少しなんとかなんないの」
そんなことを言われるとカチンと来るが、カチンと来るってことは、
実は自分でも気持ちのどこかで、それを感じていたってこと。
ただ、設計している本人にしてみれば、1つのことを決めるのには、
室内側からの見え方、机の高さと目線の位置、などはもちろんのこと、
構造、配管ルート、経済的な寸法など、その他の多くの要因から、総合的に判断して決めている。
それを、パッと見で「ヘン!」と言い切ってしまえるのは・・・
シロウトの偉大さだな。
こういう役どころが、事務所にはひとり必要だ。
このシロウト役は、建て主でもつとまらない。
設計者も建て主も、直接の利害が絡む人は時として、
直感的かつ冷静な判断がとれないことがある。
今夜もシロウトの一言で、深夜残業が決定した。
明日の朝までに、もういちど窓の位置を整理してみよう。

2004.09.12 (sun)
ガックリ・・・
楽しみにしていた、
ほぼ日の落語のインターネット中継を見逃した。
さらには、NHKアーカイブスの『カメラマン沢田の戦争』も逃した。
それもこれも、夫婦喧嘩のせいである。
「あなたが細かすぎる!」
「お前がズボラすぎる!」
こいつぁもう、死ぬまでやり続けるのだろう。
小さな戦争の火は、消えることは無い。

2004.09.11 (sat)
思い出せない。
さっきからズーッと考えているのだが、思い出せない。
ここに書こうと思っていたことが、なにかあったのだが、なんだったんだろう?
・・・と、ここまで書いて思い出した。あぁ、よかった。ホッ。
あるインタビューで、欽ちゃんが言っていたこと。
「放送作家は、完璧な脚本つくって『この通りに演じてください』ではダメで、
脚本は50%でいい。
少なめに書いておいてくれた方が、足りない部分を現場も工夫しながら作っていくから、
ずっと面白くなる。」
と言っていた。
そのままズバリ、建築にも当てはまるなぁ。
設計屋はついつい描きすぎてしまう。
「こうしてください」「あぁしてください」
「あ、そこはそうじゃなくて、こんな風に収めてほしいんです」
・・・。
職人さんの、現場監督さんの、良い仕事を引き出せるように、
伸び伸びと、でも真剣に、やってもらえるような、図面を描かなきゃいけないね。

2004.09.10 (fri)
『結婚するんだ』と、昔の設計事務所時代の先輩からハガキが届いた。
いいなぁ、新婚だ。おめでとうございます。
今思い出してみると、あの事務所は100%楽しかった。
いつかウチも事務所を大きくする時は、あんな雰囲気の事務所にしたい。
所員同士が親友のように仲が良く、
お互いに仕事のスピードを競って、まるでゲームのように、勝った負けただの言ってる、
ノリがいい、ギュッと詰まったひとつのチーム。
みんな志向も性格もバラバラで、ひとりひとりの個性が立っている、
だからこそひとまとめにした時に、おもしろいグルーヴが生まれる、バンドみたいな関係。
毎日毎日が、ただ遊んでるみたいに面白かった。
今思うと、仕事の内容自体は、おせじにも面白みなんか無かったけれど、
あの事務所で、あのメンバーでの仕事は、どんなにつまらない消化するだけの業務でも、
遊びに変えてしまうノリがあった。
先輩は、結婚式はするのかなぁ?
こりゃぁ、みんなで集まらなきゃでしょ♪

2004.09.09 (thu)
今朝、キキョウが咲いた。
この時を待っていた。
奥志賀高原のペンションのオーナーに無理を言って譲ってもらった一輪挿し、
ぜひともキキョウを生けたくて、戸棚の中でずっと出番待ちをさせていた。
素朴な器には、野の花がよく似合う。
生けてくれるのはいつもカミさん。
自分で見よう見マネでやってみても、どうもうまくいかない。
ホイホイって簡単にやってるように見えるのだけど、どうしてだろう?
いつも僕はクチを出すだけ。

2004.09.08 (wed)
ここ数ヶ月、コーヒーのいれかたに凝っててね、
ためしてガッテンで見た、コーヒーの達人、
ドリッパーにお湯を注いで蒸らすと、
豆の粉がモコモコと膨れ上がってくる。
これが、おいしいコーヒーの秘訣なのだと。
それをマネしたくて、この数ヶ月、毎日毎日試行錯誤を繰り返しているのだが、
あんな風に、カルメ焼きのように、モコモコしてくれない。
注ぎかたが悪いのか、豆が悪いのか、ドリッパーが悪いのか、フィルターが悪いのか、
はたまた、それらの相性が悪いのか。
あぁでもない、こうでもないと、毎日毎日、ためしてはガックリの繰り返しなのである。

2004.09.07 (tue)
『日本一ヘタな歌手 上床敬子のお店』
という得体の知れない店が、三鷹の駅前にはある。
ピンクの看板にデカデカと、『日本一・・・』の文字。
表のショーケースの気配からすると喫茶店なんだけど・・・。
「なんだろう・・・」と4年間不思議に思っていた店に、
ひょんなことから入ってみることになった。
・・・・・・で、うん、看板通りの店でした。
ああいう得体の知れない店は、一度は入ってみるべきだね。
なんて言うのかな、刺激的。
名物おばさんとか、いるじゃない?どこの街にも。
まぁ、そういう感じの変わり者のお店。
でもその変わり者ぶりが、かなり陽気な方向だったので安心。
おもしろいお店でした。

2004.09.06 (mon)
30年前のコンクリート打ち放しの住宅を見学してきた。
この住宅は70年代の名作と言われている建築。
中に入らせてもらえるチャンスがあったこと自体、奇跡みたいなもの。
どんな家か
はっきり言って、コンクリートはすごく汚い。
昔のドブ溝くらいゴテゴテした、触ったら擦り傷ができちゃいそうな荒いコンクリート。
雨漏りもすごかったという。
「雨が降って、漏らない日は無かった」そうだ。
古いこともあって、もう、そこいらじゅう荒いし、ガタガタだし、
言い過ぎかもしれないが、廃墟のようだった。
・・・のだが、
イイ。これが、イイ建築なの。ホント、名作ってこういうことなのねぇ・・・。
まだ頭が混乱しています。
整理がつくまで、興奮が収まるまで、しばらくかかると思います。
なんか、ちゃんと伝えられないことを書いてしまって、心苦しいのですが。
ひとつ言えることは、『エネルギーが違う』ってことです。
帰りがけ高円寺の商店街で、さぼてんのお弁当を買って帰る。
三鷹にもできてくれないかなぁ。

2004.09.05 (sun)
昨日は保谷で、とある建築家設計による賃貸マンションのオープンハウス。
今日もまた、とある建築家設計による賃貸マンションのオープンハウスを見学に、市川へ。
みんなそれぞれスタイルが違うなぁ。
スタイルが違うというのは、価値観が違うのだろうね。
みんなイイ建築を目指してやっているのだろうけど、
それぞれ答えはバラバラ。
きっと僕も、「おまえ作ってみろ」って言われたら、
保谷のとも、市川のとも違うものが出来上がるだろう。
で、自分では「保谷のよりも市川のよりも、これはイイ建築」って思う。
でも、僕が作ったものを、イイと思わない人も、きっとたくさんいるハズで・・・
だから、か。
建築家はたくさんいても良いんだね。

2004.09.04 (sat)
いつもの研究会に行くと、友人に第二子が誕生したとのこと。
おめでとう。
以前だったら「へぇ、おめでとう」ってくらいの感じだったけど、
なんか、今は違う。
いまの「おめでとう」は、ホントのおめでとう。
挨拶なんかじゃなくて、他にこの言葉しか思い浮かばない、おめでとう。

2004.09.03 (fri)
最近、持っている本を寝る前に少しずつ再読しています。
ホテルカクタス(江國香織・佐々木敦子)という本を読み終わりました。
挿絵がたくさんある本で、その絵自体にもそれぞれに物語を持っているような、
美しい、なんとも魅力的な挿絵。
物語の方もそれはそれでおもしろく、一言で表現するなら『大人のための童話』というかんじ。
物語と絵の絡みかたが、密接すぎず、説明的でなくて、
ベタベタしない、そっけない関係で、読み進めるのが心地よい本です。
この本をウチのカミさんにプレゼントしてくれた、カミさんの友人に感謝。

2004.09.02 (thu)
おわったぁああ!
5日間かけてやっと、出来上がった。
このところズーッと、朝の家のすごく大きい模型を作っていたんです。
今までで一番大きい模型です。
いつもの模型なら2・3日で、パパッと作ってしまうのだけど、
今回は小さい家なので、細部の微妙なサジ加減が重要ですから。
例えば窓。
袖壁をナシにするか付けるのか。付けるならちょこっとなのか、そこそこか、いっぱいか。
垂れ壁をナシにするのか付けるのか。付けるなら・・・
立ち上がりを・・・
ひとつの窓だけでも、数十通りの組み合わせが考えられる。
それを、ひとつひとつ検証しながら、模型を切ったり貼ったり切ったり貼ったり・・・
収納カウンターの形状や高さとのバランスも調整して、切ったり貼ったり・・・
タタミの目地とのバランスも調整して・・・
部屋全体として、「これしかない!」というところに辿り着くまで、延々調整していく。
気の遠くなるような作業。
で、やっと出来上がりましたよ。5日間かけて、
和室が1部屋。
ぇえ!?まだ1部屋なの!

2004.09.01 (wed)
防災の日かぁ。
そうそう、黙祷の8月のあと、
新学期早々にあるのも、気を引き締めていかにゃいかんぞ、という防災の日。
大地震、近いうちに必ず起こると言われ続けて、もう20年以上も経つよね。
子供の時分からずっと、いつかくる、いつかくる、と言われながら、
実際にはなかなか起こらないもんだから、防災の意識も薄れつつあるのも、正直なところ。
コドモも産まれたことだし、きちんと備えておかなきゃいけないなぁ。
ウチで唯一おこなわれている防災は、「危ない建物には入らない」です。
建築をはじめてから、大地震で壊れちゃう建物の見分けがつくようになったので、
そういう建物の中には、なるべく入りません。
たとえお気に入りの定食屋さんでも、テイクアウトにしてもらって、ウチで食べたり。
「いつもそんなことを気にしながら生活していたら、なんか息苦しそうだなぁ」と、
言われたことがありますが、本人はそうでもないけどなぁ。
それよりも、崩れるとわかっている建物にいる時に、ホントに来ちゃって、
下敷きにでもなっちゃったら、悔しくて悔しくてたまらないだろうなぁと思うとね。
やっぱり近付きたくはないんですよ。
みなさんも、気をつけてください。
古い建物は、それだけでヤバいですから。

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